さて、今回はCHET BAKERへ捧げられたレコードを紹介してみたいと思います。今回の盤は、晩年のレギュラー・メンバーだったベーシストによるトリビュートであります。

「A SIP OF YOUR TOUCH」 (plus loin)
CHET BAKERの晩年のレギュラー・バンドのベース奏者だったRICCARDO DEL FRAによるトリビュートで、DAVE LIEBMAN(ソプラノ・サックス)、ART FARMER(フリューゲルホーン)、MICHEL GRAILLIER(ピアノ)、ENRICO PIERANUNZI(ピアノ)、RACHEL GOULD(ヴォーカル)が参加していますが、各々の奏者とRICCARDOとのデュオ編成になっていて、1988年の録音であります。ベース・ソロの1曲を除いて、すべてがデュオという編成なので、音楽における余白がとても多く、静寂の中から音が立ち上るような感じです。FARMERの柔らかな音色のフリューゲルが堪能できる「I REMEMBER YOU」やLIEBMANのソプラノによるイントロが印象的な「LEAVING」など、CHETの愛奏した曲が中心ですが、オリジナル曲もいくつか収録されています。なかでも聴きものはレギュラー・バンドで一緒に演っていたMICHELと組んだ2曲でしょう。タイトル曲の「A SIP OF YOUR TOUCH」は美しいワルツで、互いに音楽的に共鳴している様子が伺えます。CHETの初来日公演時(1986年)のピアノがMICHEL、ベースがRICCARDOだったのですが、その際、訪問した秋田県の思い出を題材にして書いたのが「AKITA VIEW」です。我々、日本のファンにとって嬉しい1曲ですね。ジャケット裏面には、CHETを評して「音と静寂の優雅なマエストロ」と書いてありますが、本アルバムも音と静寂を大事にした聴き応えのある1枚でありますよ。
みなさま、ぜひ「BAKER」へお越しくださいませ。初めての方もお気軽にどうぞ。お待ちしております。
Bar BAKER
日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107