さて、今回はCHET BAKERのレコードを紹介してみたいと思います。今回の盤は、1960年前後のイタリア映画のサウンドトラック集であります。

「ITALIAN MOVIES」 (liuto)
1950年代の終わりから60年代の初めにかけて、映画音楽によく使われていたのがジャズでした。1957年のフランス映画「ASCENSEUR POUR L’ECHAFAUD(邦題「死刑台のエレベーター」)」のMILES DAVIS(トランペット)などは、有名ですね。同時期のイタリアの映画界では、CHET BAKERが重用されました。本作は、イタリア音楽の巨匠、PIERO UMILIANIによる映画音楽集で、作品的には1958年の「URLATORI ALLA SBARRA」、1961年の「BIG DEAL ON MADONNA STREET」、1962年の「SMOG」が当てはまります。CHET(トランペット)、UMILIANI(ピアノ)を中心に大人数のビッグバンド編成になっており、有名どころではNINI ROSSO(トランペット)も参加しています。ベース・ソロから始まって管楽器が加わり、CHETのトランペット・ソロが入ってくる流れが素晴らしい「RELAXING WITH CHET」や「THINKING BLUES」など、少し暗めのトーンの曲が格好いいですよ。ただ、残念なのが、CHET本人も出演して劇中で唄っていたバラードの名曲「ARRIVEDERCI」が収録されていないことです。以前、JOE BARBIERI(ギター、ヴォーカル)によるトリビュート・アルバムの紹介記事でも書きましたが、この曲はCHETのドキュメンタリー映画「LET’S GET LOST」のエンディングにも使われていて、隠れた名曲として知られていました。現在では、イタリア録音をまとめた編集盤「COMPLETE MILAN SESSIONS」などで聴くことができます。CHETは晩年にUMILIANIに再会したとき、「親愛なるマエストロ」と呼びかけたそうですが、「私がマエストロなら、君は何だろうね。私なんかよりもはるかに素晴らしいことを成し遂げたじゃないか」とUMILIANIは応えたそうです。2人がお互いに敬意を抱いていたのがよくわかるいい話ですね。
みなさま、ぜひ「BAKER」へお越しくださいませ。初めての方もお気軽にどうぞ。お待ちしております。
日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107