さて、今回はCHET BAKERへ捧げられたレコードを紹介してみたいと思います。今回の盤は、1960年代からつきあいのあったイタリアのベーシストによる1枚であります。

「TO CHET」 (red)
イタリアのGIOVANNI TOMMASO(ベース)によるトリビュートで、PAOLO FRESU、FLAVIO BOLTROの2人のトランペット奏者をフロントに据え、DANILO REA(ピアノ)、ROBERTO GATTO(ドラムス)を加えたクインテット編成で、1988年の録音であります。トランペットが2本というクインテット編成は珍しいですが、オープンとミュート(弱音器)や持ち替えのフリューゲルホーンをうまく使い分けており、また、チャンネルの左右に2人を分けているので、音が重なりすぎているような印象はありません。曲目を見ると、スタンダード曲は一切なく、すべてオリジナル曲で固められており、冒頭の「PICCIONI VIAGGIATORI」という曲が「(TO CHET)」となっています。イタリア語なので、僕には正確な意味はわからないのですが、おそらく「旅の鳩」といったような意味だと思います。日本語でいうところの「旅がらす」のようなものなのでしょうか。GIOVANNIは、1961年の年末にCHETがイタリアの刑務所から出所して最初に共演したミュージシャンたちのうちの1人であり、70年代にも共演しています。「出所直後の62年頃のCHETはファンタスティックなプレイをしていたけれども、その後は自分の知る限りでは2度とそのようなプレイはできていなかった」とGIOVANNIは回想しています。ベーシストがリーダーということもあり、骨太なベースをはじめ、パンチの効いたリズム隊が目立つ曲が多いです。とくに「O’ZONE MIO」という曲は、出だしのミュート・トランペットのハモりから、饒舌なベースソロ、ピアノソロも格好よく、聴き応えがありますよ。
みなさま、ぜひ「BAKER」へお越しくださいませ。初めての方もお気軽にどうぞ。お待ちしております。
日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107