Bar BAKER お気に入り盤紹介100。 | 「Bar BAKER(バー・ベイカー)」のブログ。

「Bar BAKER(バー・ベイカー)」のブログ。

日野市・豊田駅北口「Bar BAKER(バー・ベイカー)」店主のブログです。ウイスキー、ジン、カクテルなど、こだわりの洋酒と音楽。落ち着いた空間で、一息つきませんか?
おひとりさま、初めての方、女性の方も、お気軽にどうぞ。

暑い日が続きますね。こんな時期には、半地下の涼しい店内で、冷たい一杯はいかがですか? 先日、アイラもののウイスキーを更に増やしましたので、お好きな方はお楽しみに。前回の記事にも書きましたが、次の日曜日(10日)は、営業する予定であります。

さて、CHET BAKER関連のレコードを紹介してきたこの連載記事も、今回でついに100枚目となりました。何度か書いていますが、当店の名前「BAKER(ベイカー)」は、僕の愛するジャズ・トランぺッター、CHET BAKER(チェット・ベイカー)に由来しているのです。CHETの魅力、そしてもちろん、当店についても知っていただくきっかけになればと思い、CHETのレコードと、彼へのトリビュート作を紹介しているわけであります。100枚目ということで、僕も思い入れの深い、CHETのドキュメンタリー映画のサウンドトラックを紹介してみたいと思います。



「LET’S GET LOST」(novus)

CHETの晩年に制作されたドキュメンタリー映画、「LET’S GET LOST」(1988年公開)のサウンドトラックで、CHET(トランペット、ヴォーカル)、FRANK STRAZZERI(ピアノ)、JOHN LEFTWICH(ベース)、RALPH PENLAND(ドラムス)によるカルテット編成で(1曲のみNICOLA STILO(フルート、ギター)が加わります)、1987年の録音であります。この映画は、晩年のCHET本人や音楽仲間、家族、恋人など、様々な関係者たちへのインタビューと若いころからの軌跡とをファッション・フォトグラファーとしても有名なBRUCE WEBERによる美しいモノクロ映像で綴り、CHETの退廃的な生きざまと音楽を鮮烈に描き出したもので、1989年のアカデミー賞候補にもノミネートされました。CHET自身は、残念ながら映画の公開前に亡くなってしまったので、映画のラストにCHETの死を伝える画面が追加されました。僕も何度も観ていますが、いろいろと考えさせられる作品であります。この映画について書き出すとキリがないので、ひとつだけ、当時の評を紹介してみます。「恐ろしいほど美しく、絶望的なほど悲しい映画だ(ニューヨーク・タイムズ)」。さて、その音楽のほうは、心身ともボロボロの壊れそうな危うさをはらんでおり、彼独自の繊細な美しさに満ちています。鍵を握っているのがピアノのSTRAZZERIで、選曲からアレンジ、リズム隊の人選まで、すべて任されています。CHETとは1950年代からのつきあいの旧友で、このサウンドトラックを作ることになったとき、CHETが唯一示した条件がSTRAZZERIの起用だったそうです。そしてCHETは彼に「君の演奏を人々が聴くときが来たんだ」と言ったそうです。冒頭の「MOON AND SAND」から美しい曲が続きますが、個人的に好きなのがラスト3曲、「MY ONE AND ONLY LOVE」、「EVERYTHING HAPPENS TO ME」、「ALMOST BLUE」の流れであります。繊細極まりないトランペットとヴォーカルがたまらないですよ。破滅的な人生を送ったCHETが奏でる音楽には、純粋さと真実が込められています。このサウンドトラックも素晴らしいですが、興味のある方は、ぜひ映画のほうも観ていただきたいなぁと思いますよ。

みなさま、ぜひ「BAKER」へお越しくださいませ。初めての方もお気軽にどうぞ。お待ちしております。

日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107