先日に引き続き、『Howl's Moving Castle』から1ネタ
主人公のSophie(ソフィー)はthe Witch of the Waste(荒れ地の魔女)に魔法をかけられ、
90歳の老女にさせられてしまいます。突然老女になり、この姿でこれまでの家に住むことは
できない、と家を出て、Howl(ハウル)の城に入り込みました。
Howlの城の中で、SophieはCalcifer(カルシファー)という炎の姿をした悪魔と出会います。
CalciferはHowlと契約を結び、Howlの心臓をもらうかわりに、動く城に魔力を提供し、
Howlの言うことをなんでも聞かなければいけない立場にあります。
CalciferはSophieが魔法にかけられていることに気付き、こんな話をもちかけます…
How about making a bargain with me ?
I 'll break your spell if you agree to break this contract I 'm under.
この文章から3つの単語に注目してみましょう
① bargain
日本語で「バーゲン」と言えばデパートやショッピングモールのバーゲンセールを
想像してしまいますが、ストーリの展開的にもバーゲンセールではないですよね
英語で bargain と言えば、「契約・取引」という意味です。
ちなみに、バーゲンセールは英語ではsaleといいます。
② spell
日本語で日常的に使うことはないですが、英語の授業のときに使いますね。
「スペルを教えてください」のように「(単語の)つづり」という意味で使います。
英語の spell にももちろん「(文字を)つづる」という意味はあるんですが、
もうひとつ、「呪文・魔法」という意味があります。
③ contract
「契約」という意味です。①のbargainとほぼ同義ですね。
さて、この3つの単語の意味を元に、もう一度Calciferのセリフを見てみましょう![]()
How about making a bargain with me?
⇒ 僕と取引しないか?
Sophie に対してある取引を持ちかけようとしています。具体的な取引の内容が次の文章。
I ' ll break your spell if you agree to break this contract I 'm under.
⇒ 僕の契約を解いてくれれば、君にかかった魔法を解いてあげるよ。
ここでいうyour spellとは Sophie が the Witch of the Waste にかけられてしまった魔法のことです。
this contract I ' under はCalcifer と Howl が交わした契約です。
この Calcifer のセリフの後も、Calcifer が Sophie に持ちかけている取引の話をするときは bargain、
Calcifer と Howl の契約の話をするときには contract 、と単語の使い分けをしています。
よく「英語は同じ単語を繰り返し使うのを嫌う」なーんていいますが、ここは「契約・取引」という意味の
bargain / contract の2つを使うことで、誰と誰の契約なのかを分かりやすくしてるんですね
