1月にラスベガスで開催されたCES技術展示会で、コダックの公式スタンドに展示されたマイニングコンピュータ「KashMiner」。
実現不可能な利益が得られると宣伝しており、誤解を招く製品であることが判明しました。
実際のところ、KashMinerはコダックによって公式に認可されておらず、開発計画はこれ以上先に進まない見通しです。
BBCが詐欺まがいなマイニング機器を暴露
スポットライトUSA社は、コダックのブランドで製品を販売する資格を持っている企業です。
そのためコダックというブランドを自社製品に組み込むことができます。
2018年1月、スポットライトUSA社はレンタル可能な仮想通貨マイニング機器を展示しました。
このマイニング機器の事業計画では、料金を前払いでいただくことを前提にしています。
顧客は$3,400の料金を支払うことで、KashMinerでマイニングをして利益を得ることができます。
しかし、BBCの報告によると、コダック社はスポットライトUSA社のマイニング機器にコダックのブランドを使用することを公式に許可しておりませんでした。
ビットコインのマイニングはますます困難になり、コストもかかることから、KashMinerからの支払い額は現実的ではありません。
スポットライトUSA社の広告によれば、2年間に月額$375の収益を顧客に約束していました。
契約終了までに合計収益が9,000ドル、マイニング機器のレンタル料を差し引けば、5,600ドルの利益をもたらす計算になります。
「KashMiner」はコダックのブランド製品ではないと断言
レバノン・アメリカン大学の経済学者サイフェデアン・アムモス氏は、BBCの取材に対し、KashMinerを使っているすべてのビットコインマイナーは、この投資でお金を失うことになるだろうと話しました。
「マイナーが毎月同じように375ドルも稼げるはずがありません。魔法じゃないんですから」とアムモス氏は答えます。
スポットライトUSA社の最高経営責任者ホルストン・ミハイル氏は、コダックの本社に何百ものKashMinersをインストールする予定で、すでに80台のデバイスをインストールしたと語りました。
しかしながら、コダックの広報担当者はそのような事実はないと証言しています。
コダックはBBCに対し、機器が一度もインストールされたことはないと話しました。
「KashMinerはコダックのブランド製品ではありません。
またKashMinerはコダック本社に設置された事実もございません。」
スポットライトUSA社のCEOは、BBCから電話で問い合わせを受け、米証券取引委員会の指摘や事業計画の変更により、コダックとの契約は進まなかったと話しました。
スポットライトUSA社は、KashMinersを消費者に貸す代わりに、アイスランドでマイニング事業を行う予定です。
スポットライトUSA社が仮想通貨で詐欺を働こうとしていたのかどうかは不明ですが、信用を大きく失ってしまう結果となりました。