何か決まっている答えがあるのではなく、自分と作品との対話で答えを出していく
今回も梅田のジュンク堂さんに並んでいた本の中からいいな、と思ったものを後から買って読んでみました。
筆者は美術講師の方。
アート=美術だとして、あんまり必須科目じゃないから、好きな学生以外からは敬遠されがち。
デッサンしたり、粘土こねてたりすると思ったらいきなり歴史、知識の勉強が入ったり、謎な科目の一つ。
的な話が最初の方にありますが、そんなところからは離れて、自由な発想をもつトレーニングをさせてくれる本。
アート=絵画、彫刻、建築あたりだと考えているとずれますよw
作品はいわゆる花出会って、そのアーティストがもつ考え方や物の見方、経験、知識が花の何倍も何十倍も巨大な根っことして見えないところに存在している。
だから、実は作品ってアーティストの表層しか見えていない。
とはいえ、大事なことはそれを理解したり推測することではなく、受け手側も自分の感じたことを素直に言葉にしたり、表現することであるということも教えてくれる。
決まった見方なんてない。
そしてそれにトライ、実験してきたのが20世紀から現代までのアーティストたちなんだなと思うと、すごく面白い時代にいるんだなと実感。
そしてアートの分野だけではなくて、複雑性と言われるこの現状に生きる私たち誰にでも必要な頭の使い方のトレーニングをさせてくれる本だと思いました。
決められた答えや人生のルートはないし、さっきまで常識だったことや揺るがなかった体制が一瞬にして変わる、そういう時代において大事な考え方を伝えてくれる本だなと感じました。
面白かった。頭を柔らかくしていきたいと思います、30代