皆さん、こんにちは。

不動前で簿記専門塾「わらびゼミナール」を経営しております橋本と申します。


簿記の講義をやっていて思ったことの一つとして、消費者金融の本当の怖さについてご存じない方が多い点です。


消費者金融(いわゆるヤミ金)で使われる用語でトイチというのがあります。

トイチとは簡単に言うと10日で1割の金利で融資する契約です。

これは1日1%の金利が発生すると読み替えることができますので

年利365%(単利)という計算になります。

つまり100万円借りたら、1年後の利息は365万円(元本の約4倍)になるという話です。



ではトイチで実際に100万円借りたらどうなるでしょう?


10日目→100万円+10万円=110万円
20日目→110万円+11万円=121万円
30日目→121万円+12万円=133万円


このように1か月後には33万円の利息がついてしまうわけです。

しかし、100万円を一括で返せる人はいません。

返せたらヤミ金から金なんて普通は借りませんからね。

そうすると以下のようにドンドン利息が膨らんでいきます。


40日目→133万円+13万円=146万円
50日目→146万円+15万円=161万円
60日目→161万円+16万円=177万円
70日目→177万円+18万円=195万円
80日目→195万円+20万円=215万円


このように3か月も経たずに元本の2倍まで膨れ上がるのです。

では、実際に3か月借りたらどうなるか?

180日目→505万円+51万円=556万円

このように金利が元本の5倍まで膨れ上がるのです。

では1年間借りたらどうなるか?

360日目→2810万円+281万円=3091万円

1年で元本の30倍以上に金利が膨れ上がるのです。


これは理由として複利計算をしているからです。

複利とは「元金100万円に利息がついて、その利息についてもさらに利息がつく」という話です。

よって、複利だと年利3142%になってしまうのです。

これは、利息制限法の年利20%を超過しており、かつ、出資法の年利29.2%をも超過しているため当然違法になります。

でも、水面下ではこういった高利貸しは現存しているのが実態です。


参考にトイチ以外のものでは以下のものがあります。


トニ (10日で2割の利息) 年利 730% (単利)、年利 77545% (複利)
トサン(10日で3割の利息) 年利 1095% (単利)、年利 1441791% (複利)
トヨン(10日で4割の利息) 年利 1460% (単利)、年利 21561119% (複利)
トゴ (10日で5割の利息) 年利 1825% (単利)、年利 267504316% (複利)

ではその会社がヤミ金業者かどうかをどのように判別するか?

東京都に金融業の届け出を出している場合、登録番号「東京都(1)第○○○○○号」というのが与えられます。

この(1)というのは貸金業登録が初回、あるいは登録後3年以内を指します。

こういった業者のほどんどは個人登録なのでヤミ金の可能性が高いです。

なるべく支払いは一括でやりましょう。