DUMBLEアンプ エピソード7 クローンの攻撃(後編) | おんがく・えとせとら

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redplate



 DUMBLEクローン特集の続き。

 前回前々回紹介した海外サイト「Who makes the Best Dumble Clone? 」…「一番良いDUMBLEクローンアンプを作ってるのは誰だ?」…を参考に主要7メーカーをチェックしましたが、「ダンブルも製造時期やタイプによって音は違うはず。十把一絡げにして、どれが一番似てるか?なんてのは、ナーンセンス!」という意見も。確かに。
 さて、同サイトでは7位「Fergen」(合計3票)の次が「Other Maker」(43票)となっています。各メーカーの得票がFergenより少ない(2票以下)とすると、「Other Maker」は20数社もあるのか?という疑問も湧きますが、とりあえず今回は知ってるOther Makerを一挙に紹介。(詳細はメーカー名をクリックして夫々のホームページで)



BRUNO

 最近では、Voxとのコラボ・アンプを発表したりしているアンプ・デザイナーのトニー・ブルーノ氏(Tony Bruno)の作品。ダンブル・アンプのモディファイを手掛けた経験を活かし作り上げたのが、このSuper100とか。国内販売価格は新品が103万円!(パワー管は6L6以外に、EL34版もあり)


bruno Super100


BROWN NOTE

 その名も「D'Lite」(Dumbleの小出力版)だ。国内取扱店・新潟の楽器店「あぽろん」HPに製品紹介があります。D'Lite22Wが360,000円。
カリフォルニア州のメーカー。

brown D'lite22



QUINNAMP

 アリゾナ州にあるメーカー。ダンブルの特長のでもある3つのトグルスイッチの代わりに、ボリューム、トレブル、ミッド、ベースそれぞれのノブを引っ張ることで、ブライト、JAZZ、ミッド・ブースト、プリアンプ・ブーストのON/OFF機能を代用しています。

qiunn SDQ1



MYSTIC AMP & CUSTOM BY COUGER

 オーナーは、トミー・クーガー(Tommy Couger)という人だそうです。ジョン・クーガー(John Couger)の場合はニックネームを改めて、後にジョン・メレンキャンプ(Mellencamp)になりましたが。現在は受注生産のみだそうです。

mysticBS Mystic Blue Star



MARSH AMPLIFICATION

 各社、クローン・アンプということを全く示していないもの、「D style」など控えめな表現をするところ、いろいろですが、ここは「The ultimate D*mble Clone!!!」 (究極のダ×ブル・クローン!!! )と豪語しています。50Wが約15万円と、比較的低価格。
 他にもフェンダーアンプのクローンなど多数生産しているようです。


marsh Overload FSX100



SEBAGO SOUND DOUBLE TROUBLE

 モデル名で一目瞭然、SRヴォーンの世界ですね。ホームページには堂々と「a faithful reproduction of the Dumble Overdrive Special」(ダンブル・オーバードライブ・スペシャルの忠実な復刻)と謳っています。メーン州にセバゴ湖というのがあるようですが、所在地はそこでしょうか?

Double Trouble

Texas Flood


RED PLATE AMPS

 2006年、アリゾナ州に設立された会社。オーナーのヘンリー・ヘイスタンド氏(Henry Heistand)はアンプ取扱歴41年のベテラン。デイブ・リーブマン、ランディ・ブレッカー等との共演歴を持つチャック・ダロイア(Chuck D'Aloia)のシグナチャー・モデルも作っています。

Star Dust


WELAGEN MUSICAL SOUND


 ジェル・ウェラジェン(Jelle Welagen)という人がオーナー。製品のネーミングは、そのまんま「Overdrive Special」「Steel String Singer」だ! これって、いいのか?

welagen Overdrive Special


FRUGAL AMPS

 こんな個人製作家も…


frulgal


HAMILTONE GUITARS & AMPS

 「Austin」というネーミングにこのロゴ・スタイル、どこかで見たことありませんか?
 そう、スティーヴィー・レイ・ヴォーンにカスタムメイドのストラトを提供した、ジム・ハミルトン氏(Jim Hamilton)の工房が手掛けるアンプ。ギター製作とアンプ製作は全く別モノなので、ひょっとしたらどこからかOEM供給を受けているのかもしれない。


hamiltone Austin Overdrive

hamiltone Six String Singer


ALLSTONAMPS

 マサチューセッツ
の大型楽器店地下に店を構える、ロブ・ロー氏(Rob Lohr)による個人工房。基本的には受注生産のようです。スピーカーはセレッション12T-75を使用。
 小型アンプながら45Wのダンバリーナ(Dumbalina)。「もうちょっとお金貯めて、頑張りーな」なんちゅうて。

 

allston Dumbalina Blues



------ ダンブル・クローンはほとんどがアメリカ製です。幾多のポピュラー音楽の発祥地でもあり、他の国々と比べ需要も段違い。しかし、前々回紹介したセリアトーン(マレーシア)のようにアメリカ以外のメーカーもあります。以下はそのサンプル。



Volt Amp Co.

 イギリスのメーカー。下写真は50/100Wのヘッド。18W小出力のコンボアンプは「Humble ODV」という名称。この会社は、Aston Elecronicsというアンプメーカーの傘下にあるらしい。



volt Overdrive Super RR


DOUBLETONE AMPLIFICATION

 こちらも英国製アンプ。フロントのロゴがなかなかお洒落。最近ホームページが見当たらなくなった。


doubletone LE50


VAN WEELDEN

 ジョー・ボナマッサ(Joe Bonamassa)も使用している、オランダ製アンプ「ヴァン・ウィールデン」。"VAN"は「~出身」を表すオランダ特有の前置詞(原語読みではファン)だそうです。ヴァン・ヘイレンとかヴァン・ゴッホとか、何度聞いても名前を覚えられないピーター・ファン・デン・ホーヘンバンドとか


Twinkle Land


SKRYDSTRUP R&D

 デンマークのスティーン・スクリドストルプ氏が手掛けるブランド。エフェクター類の製造、ラックシステム等の設計も行っています。


skryd Overdrive50


MARVEL AMPS


 ポーランド製。6L6パワー管のD'luxe(
50W)と6V6のD'lite(22W ; 前述Brown Noteと同じネーミング! )の2機種があります。

marvel D'Lite




 さて、日本にはクローンアンプを手掛けているところはないのか?

 公式に入手可能な製品を供給しているところは、以下の2つがあるようです。


DR.LAKE MOD.

 新潟の「あぽろん」と提携して、アンプ、エフェクターのモディファイを行っているDr.Lake氏のアンプ。ホームページでは、ダンブル・クローン・プロジェクトとして6号機まで紹介されています。「ベースはFenderの銀パネ又はブラックパネル(可能ならOLD)が適しています。Marshall(JCM800 が望ましい)ベースでのモディファイも可能です。参考プライスは25万~27万(モディファイ料金、アンプ本体別)となっております。」とのことです。


drLake Bassman Mod.


AKG

 赤木さんという方が大手電機メーカーを脱サラして、2010年に岩手県で開いた個人工房。クローン・アンプのODSと小出力アレンジ版のSoulBreakerというアンプなどを製作しているようです。価格は、ODSが20万円~、Soul Breakerが18万円~とのこと。詳しくは、コチラを。


akg Overdrive Special



*過去の関連記事
DUMBLEアンプ エピソード6 クローンの攻撃(中篇)
DUMBLEアンプ エピソード5 クローンの攻撃(前篇)
DUMBLEアンプ4 
DUMBLEアンプ3
DUMBLEアンプ2  
アンプの本2/ダンブル(Dumble)