GO! GO! グレコ | おんがく・えとせとら

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 最初のエレキギターはグレコでした。SA-550という赤いセミアミ。当時、チューリップの安倍俊幸と、リッチー・ブラックモアのファンだったんです。リッチーはNHKヤング・ミュージック・ショーで放映されたスタジオライブでES-335を使っていましたね。当時、グレコギターには成毛滋「ロックギター・レッスン」の教則本とテープがおまけについてきました。
 このギターは、受験勉強の期間だけ友人宅で預かってもらってたのですが、別の友人に請け出されて知らぬ間に横浜まで行っちゃい、その後手元に戻ってきたものの、弟のところに預けられて早や10数年…という放浪癖のある一品です。


 さて、グレコは最近、昔「オーネッツ」ブランドで出していたレス・ポール風のギターを発売して再始動しましたが、このブランドの代表機種といえばやはり「GO」シリーズでしょう。77年から発売された3タイプは、結構人気がありました。

 プロ・ミュージシャンの使用例としては、GO発売当初、和田アキラがテレビCMに起用されていましたが、実際に本番では使われてなかったのでは? また、GOそのものではなく、グレコ-ローランドによるGRギターシンセのギターコントローラーG303あたりは比較的よく使われてました。パット・メセニー、ロバート・フリップ、エイドリアン・ブリュー、アンディ・サマーズ、ジミー・ペイジ、サミー・ヘイガー等々。パット・メセニーは3本ほど所有しており、いまだに現役で使用しています。

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          G808                     G303

それから、GOIIとGOIIIの使用者。これはなんといってもゴダイゴの浅野孝巳に尽きるでしょう。78年の「ガンダーラ」でのGOIIの12弦、同年の「モンキー・マジック」でのGOIII。ヒットチャート上位に進出してたので、テレビの音楽番組で目にした記憶があります。とくにGOIIIの反響は凄かったようで、当初浅野氏向け特注品だったのが発売元の神田商会に問い合わせが殺到し一挙に市販化に結びついたとか。
 ステージ写真ではナチュラル、マジックカプセルのジャケット写真では白のモデルを使用しています。

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 GOシリーズは惜しくも81年に生産終了となります。テクノ、エレポップの台頭でシンセの売れ行きが伸びギターが売れなくなった、パンク向きでない、ギブソン・フェンダーのヴィンテージギターの人気が高まりドンズバコピーに人気が移った、など諸処の理由があったかと思います。80年代半ばに神田商会の系列店「ザ・楽器屋」で店頭在庫が格安販売されていた記憶がありますが、そのうちに市場から姿を消してしまいます。

 それが90年代半ば以降、「ジャパン・ヴィンテージ」という位置づけで再評価されるようになりました。秀逸なデザインと丁寧な作り、価格を上回る機能性等が改めて見直されたんでしょうね。90~00年代には特集本もいくつか発行されています。再評価に伴い、中古価格も上昇しました。

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 左写真は左から、ギター・グラフィックVol.5(リットーミュージック96年4月刊)、ジャパン・ヴィンテージVol.1(シンコーミュージック03年10月刊)、ジャパン・ヴィンテージ・コレクションVol.1(シンコーミュージック06年1月刊)。シンコーの2冊は、掲載サンプルはほぼ同じです。
 右写真は、ギター・グラフィックVol.5の中身。特集記事「THE GOLDEN AGES OF GRECO」のトップにGOが紹介されています。右端は浅野孝巳所有のプロトタイプ機。

 以下は、インターネット上のグレコ/GOの紹介サイトです。
スタジオ・グレコ…GOのサンプル写真、カタログが多数掲載されています。
グレコを応援するページ…2001年頃のGOの中古市場価格データあり
グレコ・ジャーナル



 上記のように、GOの仕様等については割と豊富な情報があるのですが、残念ながら肝心の音についてはあまり触れられていません。YouTubeでもほとんどサンプルを見つけられない。確かに上位機種はゴージャスなルックスですが、所詮観賞用のギターでしかなかったのか?

 …ということで、GOIII-700の音のサンプルを掲載してみました。エレキギターはアンプとセットで音づくりするもの、組み合わせやセッティングが変わればサウンドも変わってきますので、あくまでも参考に。ちなみに使用アンプはリベラのクラプスター(RIVERA Clubster)、アンプ直です。ピックアップはフロントとリアがSX-1、センターがPU-250というグレコ製品。




次回へ続く