兵庫県のさいとう知事もご覧になった「偏向報道」。神奈川県では、このシネマ ジャック&ベティのみで上映しています。映画館に到着したとき、びっくりしたのは、若かりし、御大とリバー・フェニックス。8月7日からデジタル・リマスター版として、限定で上映されていました。
オフィシャルサイト
映画『マイ・プライベート・アイダホ/ドラッグストア・カウボーイ デジタルリマスター版』公式サイト
マイ・プライベート・アイダホ : 作品情報・キャスト・あらすじ・動画 - 映画.com
概要
アメリカを代表する名匠ガス・ヴァン・サントが、最も美しいと語るポートランドを舞台にリヴァー・フェニックスとキアヌ・リーヴスを主演に迎え、男娼として生きる二人の友情を軸にアメリカの姿を見つめ直し、家への回帰という現代にも通じるテーマを詩的に、ファンタジックに描いた。今は亡きリヴァー・フェニックス、若き日のキアヌ・リーヴスの共演は本作でしか観ることはできない。映画史に残る美しい姿は必見。製作から35年、今回、初めてデジタルリマスター版で上映される。
今までの公開日程:
1991年7月20日(日本初公開)
2014年5月17日
スタッフ
監督:ガス・バン・サント
製作:ローリー・パーカー
脚本:ガス・バン・サント
撮影:エリック・アラン・エドワーズ ジョン・キャンベル
美術:デビッド・ブリスビン
衣装:ベアトリス・アルナ・パーストル
編集:カーティス・クレイトン
音楽:
ビル・スタッフォード
キャスト
Mike Waters:リバー・フェニックス
Scott Favor:キアヌ・リーブス
Richard Waters:ジェームズ・ルッソ
Bob Pigeon:ウィリアム・リチャート
Gary:ロドニー・ハーベイ
Carmella:キアラ・カゼッリ
Digger:マイケル・パーカー
Denise(as Jessie Thomas):ジェシー・トーマス
Alena:グレース・ザブリスキー
Budd:フリー
Jack Favor:トム・トゥループ
Hans:ウド・キア
感想
■今まで
初めて見たのは、キアヌ・リーブスのファンになったばかりの頃の1995年ごろ。それまでの人生で見てきた世界とは全く違う世界が描かれていて、面喰ってしまいました。その当時は文字通りの物語はおいかけたけど、肚落ちしていなかったように思います。 2014年渋谷のユーロスペースでようやくスクリーンで鑑賞しましたが、その頃はまだ物語に入り込めなかったように思います。
肚落ちしたのは、何かのインタビューで、実際にポートランドの男娼からヒアリングして物語を作っていったということを知ってから。
改めて映画を見ると、ポートランドに角に立つ男娼たちは、いわゆる東横キッズに重なります。男娼を拾う未亡人、ウド・キアーが演じるドイツ人の車のセールスは、電車や通りなどですれ違う人の顔だったりします。
■人物像
スコットのモデルは、シェークスピアの戯曲「ヘンリー4世」に出てくるフォルスタッフとつるみながら最終的には王位を継ぐハル王子。
マイクは、「クオレ(母を訪ねて)」のマルコに近いような…。マイクが見る幼少の自分を抱きかかえた母の姿は、誰が見たものなんでしょうか。誰かが8mmで撮影したものを、どこかで見たのでしょうか。
マイクが見る「納屋または家が崩れるイメージ」は、自分の軸が弱まり、家族が散り散りバラバラになっていく当時の世相も反映していたように思います。そのストレスが最高潮に達すると、急に眠りに落ちてしまう。その眠りの落ち方は、まるで突然死のようにも見えます。
冒頭、バッグが倒れるまでの時間を測っているシーンから始まります。突然どさりと倒れるバッグはまさにナレコレプシーのマイクそのもの。突然来る眠りは脅威でしかありません。
舞台はアイダホ、シアトル、ポートランド、アイダホ、ローマ(イタリア)、ポートランドと次々と場所を変えていきます。アイダホでマイクの兄さんに会い、母を訪ねて、二人はローマに行くことに。
ローマまできましたが、マイクは母に会えず、スコットはカーミラという少女に出会って関係を持ちます。
■栗の比喩
カーミラが持っていた栗が意味深。
「まだ青くて、食べられない…」
このカーミラのつぶやきにマイクは「わかる」と。最初、見た当時、この栗の意味はカーミラに子供ができたことかなと思っていたんです。が、今見ると、栗の比喩はスコットのことかなと。マイクがわかるといったのは、スコットがある一線から人を寄せ付けないところだったのではないかと。
いつぞやの夜、「そばにいたい、金はいらない」とスコットに打ち明けるのですが、スコットはマイクを否定しつつ、抱擁します。そのときのやり取りがこちら。
Scott Favor: I only have sex with a guy for money.
Mike Waters: Yeah, I know.
Scott Favor: And two guys can't love each other.
Mike Waters: Yeah.
Mike Waters: Well, I don't know. I mean... I mean, for me, I could love someone even if I, you know, wasn't paid for it... I love you, and... you don't pay me.
Scott Favor: Mike...
Mike Waters: I really wanna kiss you, man... Well goodnight, man... I love you though... You know that... I do love you.
■当時わからなくても…
わけがわからなくても、見ておいてよかったと思う映画の1本です。この映画に意味と光を与えたスタッフと俳優さんたちは、ほんとうに素晴らしかったです。ところで、昨年11月23日、この映画で印象的なドイツ人の車の部品販売のハンスを演じたウド・キアーさんが逝去されたとのことです。彼の縁起も光っていました。お悔みを申し上げます。
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