9月15日 エミー賞 18部門表彰された「SHOGUN」10話まで3日がかりでやっとみました。
関連サイト
『SHOGUN 将軍』公式サイト|ディズニープラス公式 (disney.co.jp)
Shogun (TV Series 2024–2026) - IMDb
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独占!『SHOGUN 将軍』日本人キャストたちが語るハリウッド - THR Japan (hollywoodreporter.jp)
過去ブログ
各話のタイトル
第1話: 按針
第2話:二人の主君に仕えて
第3話:明日は明日
第4話:八重垣
第5話:父の怒り
第6話:うたかたの女たち
第7話:線香一本の時
第8話:奈落の底
第9話:紅天
第10話:夢の中の夢
【Disney+】戦国スペクタクルドラマ『SHOGUN 将軍』あらすじ・キャスト・出演者一覧 | ORICON NEWS
登場人物
【江戸】
吉井虎永(真田広之)
吉井長門(倉悠貴)※虎永の息子
戸田鞠子(アンナ・サワイ)
戸田広勝/文太郎(阿部進之介)※鞠子の夫
戸田広松(西岡徳馬)※虎永の忠臣、鞠子の義父
宇佐見藤(穂志もえか)※広松の孫娘
【網代】
按針/ジョン・ブラックソーン(コズモ・ジャーヴィス)
樫木薮重(浅野忠信)
樫木央海(金井浩人)※薮重の甥
村次(竹嶋康成)
マルティン・アルヴィト司祭(トミー・バストウ)
菊(向里祐香)
【大阪】
石堂和成(平岳大)
落葉の方(二階堂ふみ)
大蓉院/伊代の方(AKO)
桐の方(洞口依子)※虎永の正妻
感想
最初にびっくりしたのは、枯山水の中を按針の船が進んでいくところ。その先に大阪城(安定感が悪いのが気になりますが)
出典:Shogun (TV Series 2024–2026) - IMDb
撮影日:2015年4月12日 於 大阪城
原作について
日本人が書いた小説を元にしているのかと思っていたんですが、イギリスのジェームズ・クラベル - Wikipedia氏が1980年に書いた小説だそうです。第二次世界大戦で日本軍の捕虜になった体験が、日本に漂着したウィリアム・アダムズに自身をつなげるきっかけになったのかなと思いをはせております。
日本にきて、通訳の鞠子を通じて虎永をはじめとする武士達と心を合わせるようになるうちに、風呂が好きになり、枯山水の岩に思いをはせるようになる…その変化が面白いと思いました。
第8話、江戸で昔の仲間に会うのですが、日本で堕落し「帰りたくない」という仲間のあり様に、彼らとは決別。
庭の岩に思いをはせる按針
出典:Shogun (TV Series 2024–2026) - IMDb
枯山水の庭で奥の大きな岩は「須弥山」を指しますので、この岩も須弥山かと。
撮影日:2023年6月15日 於 明月院
須弥山(しゅみせん)は、仏教的世界の中心にそびえ立つ山の名です。四天王や帝釈天が住むというこの山を囲んで世界が平面に広がり、大地の周りを太陽や星が巡る、古代インドの仏教的な世界観・宇宙観を須弥山説と呼ぶのですが、イントロに関連づけているんですね。彼はキリスト教の神ではなく、岩に象徴される自分自身にある神と向き合っているのだと思いました。また砂に線を描いていますが、潮目を探しているような気がしました。
鞠子
この作品を通して、異様な存在感を放つのは鞠子
出典:Shogun (TV Series 2024–2026) - IMDb
明智光秀の娘、細川ガラシャ夫人をモデルにしているとされます。イエズス会のマルタン司祭が「Lady Mariko」と呼ぶとそれはあたかも「Lady Maria」まるで聖母マリアのように聞こえるのは私だけでしょうか。そんな神秘的な女性をアンナ・サワイが好演。エミー賞でも認められて主演女優賞を獲得しました。
第1話での登場は藤の家族離散の場面。
「
宇佐美家は今日終わるのでございます。
あなた(宇津美)様の短慮のせいで
」
スパっと言い切る強さがすがすがしい。でも、本当は藤殿といっしょに涙したい気持ちでいっぱいなんだろうと思わせます。ぐちぐち言わないところが、神秘性を放っているところなのかなと思います。藤は「あなたのように強くない」と言いますが、その言葉の矢は、鞠子の心をえぐったことでしょう。でも、虎永はしっかり彼女の心情を見抜いており、彼女をいたわっていました。鞠子は無表情にその言葉を受け取りましたが、二人の間には目に見えない絆があるのを感じました。
虎永が按針の通詞(通訳)になるように指示し、按針の命が助かるだろうという予感に物語が一気に盛り上がります。
第8話で、江戸に行く鞠子に虎永が託した使命、この話でそれは全く説明されず、「覚悟しておりまする」とアップになるシーンは撮影監督に拍手!。
第9話「紅天」英語タイトルでは「Crimson Sky」つまり血色の空。この話の最初のシーンで、夫を殺され自らの死に場所を探してさまよう鞠子が描かれます。父の裏切りという運命に翻弄された鞠子とマルタン司祭との邂逅。マルタン司祭と会う前の鞠子だったら、このようなオーラをはなつ存在感を持つことはなかっただろうと思います。
最後に藪重の裏切りにあい、第8話58分あたり、「石堂に抗議」の意志を示して、壮絶な最後を遂げました。
出典:Shogun (TV Series 2024–2026) - IMDb
第10話「夢の中の夢」
彼は17世紀のイギリスの部屋にいます。その部屋には兜が飾られ、手には鞠子の十字架が握られています。按針の心は夢と現実の日本との間を行き来するのでしょうか。遥かなる未来にはイギリスに帰っているのではないかと想像させます。
真田さん演じる虎永
出典:Shogun (TV Series 2024–2026) - IMDb
あるときは虎の威を、あるときは兎のような臆病さをみせながら、世間をだます猛者でした。
第1話(1時間5分あたり)で、スペインの航海士ロドリゲスがいいます。
「
この国で権力を握るのはどんな人か
堂々と策を練るもの?
陰に潜むもの?
日本にはこんな諺がある
人には3つの心がある
1つめは口の中 世間に見せる心
2つめは胸の中 友にだけ見せる心
3つめは見つからぬように隠してある秘密の心
」
1つめのところで登場するのは宇津美。彼のいうことは虎永側からすると尤もな言い分ですが、却って虎永を窮地に追い込みました。
2つめのところで登場するのは村次。彼こそが虎永の腹心であることを象徴する場面です。
3つめは広次からのメモを隠す虎永の姿。
第1話で(諺はでたらめのように思いますが)、虎永こそが権力を持つにふさわしいことを暗示しています。彼は、村次や鞠子が得た情報ですべてが読めていながら、しれっと知らないふりをして、風を読み、自らは波を荒立てず、他の者(息子、広松、藪重、鞠子)にやらせます。そして、目に見えない風向きを自分の方向に向けていきます。
また、演技も達者です。第6話で息子を失いますが、地震のこともあって、第8話の終わりまで、やつれて結核のような咳をして、「降伏するしかないのだ」と部下の説得を試みます。忠臣広松が進言しても心を曲げない虎永の姿に、藪重は虎永を裏切ることを画策します。
藪重の裏切り自体が虎永の策略だったとは…。
第10話 48分ごろの藪重との会話
「風をあやつったりせぬ。読むだけじゃ」
この言葉でイントロの枯山水の意味が分かるような気がしました。按針と虎永の共通点は風を読むこと。
第10話まで見たら、また最初から見たくなるというとんだ沼のドラマでした。3シーズンまで企画の話があるそうです。今度はぜひ日本で撮影してほしいものです。
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