先々週、友人にすすめられて、「ルックバック」を鑑賞しました。
もともとチラシラックにあったチラシをみて興味があったのでした。緑の本は、入場者特典の藤本タツキ先生のストーリーブック。
チラシとストーリーブック
パンフレットとストーリーブック
オフィシャルサイト
劇場アニメ「ルックバック」 (lookback-anime.com)
映画概要:
小学4年生の藤野は、学年新聞で4コマ漫画を連載している。そんなある日、学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生、京本の4コマ漫画の画力の高さに衝撃を受ける。ひたすら漫画を描き続けるも、京本との画力差に打ちひしがれた藤野は漫画を描くことを諦めてしまう。しかし…。
出典:ルックバック:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
「自分の中にある消化できなかったものを、無理やり消化する為にできた作品です。
描いて消化できたかというと、できたのかできなかったのかはわからないですがこの作品を映像化するにあたり、たくさんの人が関わってくれたことには感謝しかありません。
押山監督はアニメオタクなら知らない人がいないバケモノアニメーターなので、一人のオタクとしてこの作品を映像で見るのが楽しみです。」藤本タツキ
出典:オフィシャルサイト
キャスト
藤野:河合優実
京本:吉田美月喜
スタッフ
監督、脚本、キャラクター・デザイン:押山清高
原作:藤本タツキ
撮影監督:出水田和人
音楽:haruka nakamura
美術監督:さめしまきよし
美術監督補佐:針崎義士
美術監督補佐:大森崇
編集:廣瀬清志
音響監督:木村絵理子
主題歌:urara
色彩設計:楠本麻耶
横浜ブルク13にあった監督と藤野役の河合優美さんのサイン入りポスター。
6月28日の公開時は小ぶりのスクリーンでしたが、反響に驚いたのか、7月2日には大きなスクリーンに切り替わっていました。
感想
■初回:「なつかしい」
初回鑑賞したとき、自分の小学校~中学校時代とかぶってしまって、まず「懐かしい」という気持ちが先にたちました。藤野のデスクの本棚にあるジャンプ、マーガレット…。ティーンの頃のバイブルだった人は多いはず。藤野が書く4コマ漫画みたいな漫画を書く男の子もいたんです。当時は、星新一のショートショートが流行っていた時代だったので、影響された人も多かったかな。
以降ネタバレです。
■2回目:闇が深い
藤野が京本の絵にびっくりしたとき、どうなるのかと思ったら、ネットでうまくなる方法を調べて、マルマンのスケッチブックに練習するのはすごかった。
#でも、スケッチブックに描いた絵はデッサンができているのに、4コマはあの絵なのは、どうして…(^_^;)。
どうしても京本の絵には勝てなくて6年生の途中からぺんを折って、姉にすすめられて空手を習ったり、友達と遊んだりして6年生後半を過ごします。そして、卒業式の日、担任の先生から「卒業証書を京本に届けてくれ」と頼まれて、いやいやながら、京本の家にいきました。誰もいない家、たまたまひろった4コマ漫画の原稿用紙に描いたのは、最後に京本が死ぬ絵でした。
京本。この人はあるときから人間恐怖症になってしまい、学校には通えなくなった女の子です。絵はうまいけど、人間はどうしても描けないようです。4コマも、放課後の学校の風景を切り取ったものでした。どうも、放課後学校にきて、先生の指導を受けていたのではないかと想像します。
(先生、大変…)
先生は、京本が藤野の漫画のファンだということを知っていたから、京本に4コマ漫画の枠を渡したのではないかと思いました。子供を見守る大人の優しさを感じる流れでした。
京本が藤野のファンだということを知ったときの、複雑な藤野。
この後、雨の中をスキップしながら踊りながら、家路につきます。一度はペンを折りましたが、「どうしても勝てない」と思っていた京本の言葉で、「まだ好きな絵を描ける。描いていいんだ」と天啓を受けたようになっていたんじゃないでしょうか。ただ、このとき藤野はまだ気がついていません。彼女のモチベーションの奥底にあるものは、「周りから認めてもらいたいから」。たとえていうなれば、インスタで「いいね」を押してくれる人が多ければ多いほど元気ややる気が出るタイプなんだと思います。
逆に京本は、根本的には藤野と対局で、「好きだから描いている」人だったんですね。ただ、一人だった京本は師と仰ぐ藤野といっしょにいるのが天国だったと思うんです。
で、藤野ちゃんは打算がはたらきます。京本といっしょに漫画家デビューをしたらいいんじゃないかと。そして、現実、そのとおりになり、彼女は東京に行って連載を始めます。
ところが、京本は「好きだから描いている人」なので、美術大学に行くことを切望。そんな京本に
「私がいなかったら何もできないくせに!!」
と、ほぼケンカのような別れ方をしてしまいます。ここでも、小学生のままの藤野は京本を縛っていることに気づいていません。
最後に、自分の幼さと京本の思いを知ることになるのは、彼女が通り魔に襲われて亡くなった後のこと。
最初に描いたこの漫画をみて、藤野は幼いときに自分がもっていた幼稚な殺意「京本なんか、消えてしまえばいい」に気づいて愕然としたように思いました。
奥底にそういう気持ちがないと、こういう展開は思い浮かばないんじゃないでしょうか。
藤野は自分の幼い自我の生贄にならないよう、「出てこないで」というメッセージを出して、京本の運命を変えようとします。が、やっぱり、絵画への強い思いから美大に行って、京本は同じような運命を辿ったのでしょう。
もし、藤野が絵画以外の自己実現の場を持った後に出会っていたら、二人の関係はもっと実りあるものになっただろうと予感させる世界が広がります。
でも、現実は現実。
藤野は取り返しのつかない運命に打ちひしがれますが、違う時間軸(バース)で生きる京本が描いた四コマに励まされ、またペンをとります。小学生のときの背中とは違って、京本がいない世界の藤野の背中は少し寂しく見えて…。
Look back
背中(に刺さった刃)を見て
フィクションという手法を借りて、救いのある展開にはなっているけど、闇が深い映画だと思いました。
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