【イベント】青島広志&萩尾望都 少女マンガ音楽史 | いろいろといろ

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 この1年はいままで会えなかった人に会う1年になりそうです。この9月は30年来のファンのキアヌ・リーブス、そして40年来のファンの萩尾望都先生に生でお会いすることができる機会に恵まれました。


2023年9月23日、神奈川県民ホールで開催された作曲家青島氏と萩尾望都氏のイベントです。

 

今回は地元、横浜、神奈川県民ホール(小ホール)での開催です。実は昨年たまたまポスターを見て、申込みそこねたことを知ったのですが、いろいろありまして、今年無事に開催されました。感謝です。

 

 

 

カメラ会場は神奈川県民ホール 小ホール

 

上手側のお席に萩尾望都先生がお座りになられました。最初の序盤は作曲家の青島先生のマシンガントークにゆっくりお答えになる形でした。

 

いろいろと貴重なお話を伺うことができました。萩尾望都先生というと、一番有名なのは「ポーの一族」だと思いますが、その話はほとんどなく、デビューの頃から1980年代のお話が主でした。

 

カメラプログラム

 

以降、頭に浮かぶ順番にトピックをメモします。

 

ふんわり風船ハートアシスタント・ネコ

 

 最初の音楽作品は萩尾望都先生が作詞、作曲された「アシスト・ネコ」。締め切り前の修羅場について、少しエピソードを伺うことができました。当時は、ホテルに缶詰になることもあったそうですが、メリットは「自分で御飯をつくらなくてもよいこと」だそうで、けっこうはかどったのでしょうか。最初はソプラノの横山美奈さんがやったんですけど、2回目は萩尾先生が。

 

次は青島先生が自分で編曲したアシスト・ワンコでした。

 

ふんわり風船ハート少女ろまん

 

 次はデビュー時のお話から、銀の船と青い梅から「少女ろまん」からインスパイアされた楽曲を披露いただきました。先生は詩作もおやりになるそうですが、漫画家では大島弓子先生だそうです。

 印象的だったのは、こんなやりとり。

青「中原中也に影響を受けていますか」

萩「当時、いろいろ読んだ中に中原中也もありましたので、影響を受けていると思われます」

 

神様は引き出しが多いですよね。

 

 

ふんわり風船ハート作品に関するトーク

 

右矢印小学館の故山本順也さんと会うきっかけ。

 

 「なかよし」からデビューしたものの、対象年齢を考えず、かきためていた先生。「なかよし」では掲載できないといわれた作品をある人が「小学館の山本順也という人がいるから、私に送ってくれれば、その人に渡してあげる」と言われて、お渡しした結果、萩尾望都先生が世に出るきっかけとなる山本順也氏と会うことができるようになったそうです。山本順也さんはその作品を買ってくれて、萩尾望都先生が東京に出てくるきっかけとなりました。

 

 原稿は作家の宝物ではないですが。まるっと送るなんて。

 

それは青島先生もびっくりされていました。でも、無事に最終的には書籍にまとまって出ていることに感謝に絶えません。

 

右矢印「ピアリス」

 

 萩尾望都先生が「木下司」というペンネームを使って、投稿した「ピアリス」のエピソードも紹介されていました。近況の写真がありますが、それは当時の担当さんだったそうです。

 

右矢印「イグアナの娘」

 

 ラストシーンについて、NHKの100分de萩尾望都に出てきたエピソードも紹介されていました。あれは、母のことだったそうです。

 

右矢印「銀の三角」

 

 1980年代の名作「銀の三角」について、萩尾望都先生から、作成時の裏話を披露いただきました。

当時武蔵野音楽大学の博物館に自由に出入りできたそうです。そこに展示されていた楽器のスケッチをもとにできたのがこの物語だそうです。重要なキーマンである歌手エロキュスの名前の由来は、萩尾望都先生のオリジナルだそうです。青島先生は「エロ」につなげたかったようですが(笑)。

 また、インドの音楽は楽譜にならないそうです。音階が8音階ではないそうで、数字で表現されるそうです。ビートルズもインドのシタールに魅せられ、それを楽曲に取り入れたお話をされていました。

 

メモ関連記事:

右矢印ビートルズのインド訪問50周年、あなたが知らない16の歴史的トリビア | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

 

ふんわり風船ハート「月夜のバイオリン」

 

「銀の船と青い海」に収録されている「月夜のバイオリン」に関する話題です。この作品は萩尾望都先生のお父様の職業からインスパイアされたそうです。この短編の小説をもとに青島先生が素敵な曲を作ってくださっていました。

 両側の壁に投影される短編と曲とか相まって、感極まりました。萩尾先生も「父と母にも青春があったのだなとしみじみ思いました」というような感想をおっしゃっていました。

 

 

右矢印「くろいひつじ」

 

「山へ行く」に収録されている「くろいひつじ」から青島先生が印象深かったというセリフが紹介されていました。

 

青「【コンサートマスターがなんだ】というセリフはありませんでしたっけ」

萩「それは【くろいひつじ】のセリフですね」

 

トークでは特にお話はありませんでしたが、音楽一家の中で絶対音感がない人の話でした。今、話題になっているマイクロアグレッションにも通じると思います。

 

ふんわり風船ハート「柳の木」

 

最後のしめくくりの楽曲は「山へ行く」に収録されている「柳の下」です。家族を見守る母の物語の短編。これもすばらしい楽曲でした。萩尾先生はなんと客席に降りられての鑑賞。神様が目の前に!!

 

 萩尾望都先生の一番の作品は「ポーの一族」ですが、バックには先生が読んで来られた書籍、旅の中のできごと、人間への洞察力、自然の原理原則のあり方についての考え方などなど作品からは計り知れないバックグラウンドがあっての作品群だったのだとしみじみと思いました。萩尾先生の作品は、万華鏡のように読むたびに見方が変ります。

 

 自分の経験値が増えると、登場人物がより身近になっていくんですよね。SFにしてもファンタジーにしても矛盾や古くささを感じません。

 

 

イベント終了後は日本大通にあるカフェラプレスさんにおじゃまして、友人とお茶をしながら、近況の情報交換です。

 

カメラカフェラプレス

 

 

カメラ友人は木の実のケーキ

 

カメラ私はティラミス

ビンにはいっているのにびっくりしました。チョコレートも濃厚でおいしかったです。

 

 つきあってもらった友人には感謝です。きっと友人にもいい機会になったのではと信じています。

 

 

メモ話題にあがった作品が掲載されている書籍

 

萩尾望都先生をあまりご存じない方はぜひこれを!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近のマンガ活動について「ミステリと言う勿れ」の作者、田村由美さんとの対談も読み応えがあります。

 

 

 

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