2021年10月1日~12月21日まで東京都にある国立【シン】美術館で開催され庵野秀明展。もりだくさんで消化不良でレポートをアップできていなかったのですが、そのときに発表されていた、「シン・仮面ライダー」を3月18日鑑賞してきました。
■ご参考
オフィシャルサイト:
国立新美術館
庵野秀明展
概要:
1971年から1973年にかけて放送された石ノ森章太郎原作の「仮面ライダー」50周年プロジェクトとして、『シン・ゴジラ』などの庵野秀明が監督を務めた特撮アクション。仮面ライダーこと本郷猛を池松壮亮、ヒロインの緑川ルリ子を浜辺美波、仮面ライダー第2号こと一文字隼人を柄本佑が演じ、西野七瀬や塚本晋也、森山未來などが共演する。
登場人物:
本郷猛 / 仮面ライダー・第1バッタオーグ - 池松壮亮
緑川ルリ子 - 浜辺美波
一文字隼人 / 仮面ライダー第2号・第2バッタオーグ - 柄本佑
緑川弘 - 塚本晋也
SHOCKERの創設者 - 松尾スズキ
コウモリオーグ - 手塚とおる
ヒロミ / ハチオーグ - 西野七瀬
カマキリ・カメレオン(K.K)オーグ - 本郷奏多
上杉柊平
サソリオーグ - 長澤まさみ
仲村トオル
安田顕
緑川イチローの母 - 市川実日子
ケイの声 - 松坂桃李
クモオーグの声 - 大森南朋
情報機関の男 滝和也- 斎藤工
政府の男 立花藤兵衛- 竹野内豊
緑川イチロー / 仮面ライダー第0号・チョウオーグ - 森山未來
以下ネタバレです
感想
ハリウッド映画のような勧善懲悪ではなく、強さが故に悲哀が漂うヒーローに、当時のマスコミの影響もあって、「日本的悲観主義」だと思っていました。
でも、
半世紀生きて「歴史」を知り、体験した今、「それは違っていた」と思うようになりました。日本的悲観主義と言われたあの悲哀は、「強さの向こうにあるものが見えていたからこその悲哀」だったと、今は思います。石ノ森章太郎氏をはじめ、当時の漫画家はそれを知っていたのではないかと思います。
今回のリメイクでは、昭和で描かれていたその哀しさが全面に押し出されているように思います。最初、緑川ルリコを助けるために、SHOCKERの軍団を打倒しますが、自分の手にこびりつく血を見て、強さの向こうにあるものを本郷は知ります。
緑川ルリコは緑川博士によって作られたクローン。人間の都合によってもたらされた命を持つ彼女は、父の死に心を動かすことはありません。
ところが、二人がともに活動することによって、緑川ルリコは本郷といることに「安心」、そして「信頼」を感じます。マスクに託された最後の遺言のとき、私たちはルリコの微笑みを見ることができるようになります。
映画館もそれがわかっているようで、ポスターが展示されていました。
孤高→信頼→継承
撮影日:2023年3月18日
二人の思いはマスクに託され、マスクをなくした仮面ライダー2号 一文字隼人にマスクごと継承されています。血のつながりを通さずに、「どう戦っていくべきなのか」、「何を目指すのか」が次代の仮面ライダー、ひいては視聴者に継承されていきます。
単にリメイクではない、作品の奥底に隠された作者の思いは、新たに掘り起こされたものとして、受け取りました。
作品の中の見せ場はやっぱり、マトリックスのエージェントスミスのように、たくさんの仮面ライダーとの闘いでしょう。思いを持つものの強さが描かれたように思いました。また、登場人物にあるように、豪華な俳優陣!!