【映画】「クレイジー・リッチ」~時代の変わり目を感じた1本~ #クレイジーリッチ応援 | いろいろといろ

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先日のレディースデー、友人と映画を見に行きました。タイトルは「クレイジー・リッチ」

 

 

映画館に行くのは、映画館までのウォーキングと映画館での膝のトレーニングのためですが、運気が下がっている私は、運気を上げたくて、上の映画をチョイスしました。つきあってくれた友人には感謝です。

 

オフィシャルサイト

■売り文句

わたし以外全員スーパーセレブ!?超絶普通の独身女・レイチェルに突然訪れたクレイジーなほどリッチな世界で繰り広げられるバトル…!嫁vs姑、今カノvs元カノ、女の友情は永遠…一体、カレの気持ちはどうなってるの!?最後にレイチェルが選択するものとはー!?世界中の“全女子共感”のシンデレラストーリー!

 

以下感想です。ネタバレがあるので、注意してください。

 


 

1980年代一世風靡したシンデレラ・ストーリーはジュリア・ロバーツの「Pretty Woman」すかね。ラストはリチャード・ギアが演じる紳士と結婚してハッピーエンド。そんなのを期待していたんですが、3つの点で想定以上。

 

1.美人とはいえない、どちらかというと個性的な主人公

2.今までのアメリカが中国を描いた映画とは違う

3.リッチなのに不幸!?

 

 

1.美人とはいえない、どちらかというと個性的な主人公

 

 主人公はNY大学の経済学部で教鞭をとる教授。恋人のニックとのデートもふつうのカフェバーでレイチェルがオーダーしたスィーツをニックがほとんど食べてしまうような親密ぶり。彼の家族に会うときにおしゃれをするが、真っ赤なドレスに場違いなサンダルだったりする。

 

2.今までのアメリカが中国を描いた映画とは違う

 

 ピッチピッチで極彩色の赤いドレスを着てパーティーに行こうとするレイチェルを救ったのは親友のペク・リン(彼女も大富豪)。

 

「そんなカニみたいなドレスでいくのは許さないからね」

 

とばかりにファッションアドバイザーも呼んできてドレスを選定。彼女のおうちは金満家なおうちなんですが、シンガポールの不動産王のおうちは、ここはNYかといわんばかりに趣味がよかったんですね。また、家族で集まって餃子をつくるパーティーがありますが、しみじみと食の大切さを描いているシーンでした。

 

3.リッチなのに不幸!?

 

 主人公の恋人、ニックは珍しく常識的な人。レイチェル曰く「ジュースのポイントを集めるくらい」ごくふつうのNew Yorker。紆余曲折の後、2回目のプロポーズは、エコノミー席で他人のバッゲージを収納庫に格納するのを手伝いながらなんですが、それが全く自然。なので、お金持ちの常識に浸りきっている親戚とは距離を置いているふうなんですね。

 セックス好きの友人が企画するバチェラーパーティーも親友といっしょに脱出しちゃって(キアヌさんんは「ノックノック」で誘惑に負けて不幸になるお父さん役を演じておりますが)、離れ小島でしみじみ恋人のことを話しているところは、ほんとうに愛しているんだなぁと思いました。

 

 彼の男いとこは、映画のプロデューサーをしていますが財産狙いの三流女優にいれあげたあげく、もっと財産がある親戚に寝取られてしまうし、美人のアストリッドは格下の男性と夫婦になりますが、夫はけちなプライドの持ち主で金持ちの妻といっしょにはなれなくて、会社の女性と関係をもってしまう。でも、彼女の引き際はとてもクールで。

 

「あなたは出ていかなくてもいいわ。ここはあなたが買った家だもの。私はマンションを14棟持っているから、どこかに住むわ。あなたに一人前になってほしかったのに…」

 

といって、袂を分かつんですね。

 

 彼のお母さん役(ミッシェル・ヨー)は冒頭のシーンで、アジア人とみては追い払おうとする高級ホテルの支配人をやりこめてしまうところは、ほんとうに爽快。

 

で、レイチェルは、そのガッツがあるお母さんを麻雀で、二人だけで対決。そのときの引き際がちょっとした見せ場で。

 

 大富豪の親友の屋敷から、母と青いタクシーに乗って空港に向かうその背後で親友のペク・リンが歌うんですね。

 

「巨万の富からのがれて~」

 

 ディズニーのシンデレラの結婚式のシーンを彷彿とさせるそのシーンでのその歌に、アメリカでもこんな映画が作られるようになったんだなぁと感慨深く思いました。「夢はかなう」「家族がいちばん大事~」を大々的に訴えてきたハリウッド映画の中、この映画。知名度の高い俳優を起用していないのに、No.1をとったのはそういうところもあるんではないかと…。

 

単なるPretty Womanではなく、Tough Womansを描いた映画です。それにしても、時代は変わった。