あれから、この時代のハプスブルク関係の書籍にはまりました。
今回読んだのは、エリザベートを語るときには必ず悪役になる姑、ルドルフ皇太子の祖母にあたるゾフィー太后妃の恋。
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帝冠の恋 (徳間文庫)
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お相手は、ナポレオンの息子。彼は父の失脚後メッテルニヒによってウィーンの王宮に滞在することになるわけですが、描写によると身長は190cm、金髪碧眼、細身だったそうで、ウィーンの社交界で貴婦人の心を騒がせたそうですので、世が世であれば世紀のアイドルとして君臨したでしょうに。
ゾフィー太后妃がナポレオン二世に夢中だったことはこの本で知っていましたが、まさかのまさかで、フランツ・ヨーゼフの弟、マクシミリアンの父について、実は~な諸説があるのを最近知って、ひっくり返っておりました。彼女はマクシミリアンの処刑後、すっかりふさぎ込んでしまったそうですので、諸説は本当かもしれません。
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マリー・ルイーゼ―ナポレオンの皇妃からパルマ公国女王へ
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晩年のルドルフがこういう噂があるのを知らないはずもなく、病んでいくのも共感できるようになってきました。
梅毒の痛みでモルヒネとアルコールに頼らなくてはいけないほど心が疲れていたんでしょうか。
ただ、舞台のルドルフの痛みについては、レオさんの演技しかみていないのですが、演出が足りないかも…なんて思っています。いつもアルコールを持っているのは、痛みを和らげるためだという小道具だとすれば、もう少し扱いも変わってくるのでは・・・・・・
それにしてもこの矛盾の帝国を68年間支え続けたフランツ・ヨーゼフ。
ミュージカルで一番難しい助演がこの役じゃないかと思うのです。母であるゾフィー太后妃が夢見たハプスブルクによる王政、それとは反してナポレオンが空けたパンドラの箱は、世の中を飛び回り各民族は独立闘争の嵐。
ひとりよがりな考えですが、
このご老体を演じることができるのは、長い歴史を持つシェークスピアカンパニーのケネス・ブラナー、または最近襲名された松本 白鸚さんじゃないかと思います。歴史の重み、伝統の重みを肌で感じたことがある人でないと、この役柄は難しいと思うんですよね。特に離婚騒動のところは、「お茶の間の茶番劇」になってしまっていて、どうしてもルドルフの悩みや哀しみが伝わってこなかったなぁと振り返っております。
と、苦言のように言ってしまいましたが、レオさんが出ているミュージカルについて、いろいろ考えるのはとても楽しいのです。
次はどんな舞台に育っているのか、楽しみです。