水琴窟というのをご存知でしょうか。
手水鉢の近くの地中に作りだした空洞の中に水滴を落下させ、その際に発せられる音を反響させる仕掛けのことです。
■京都の真如堂

最近、水道が壊れました。
ピチョーン
ピチョーン
まるで水琴窟のあの音が部屋まで響きます。試しに200ml入るカップをおいて出ていくと、帰るころにはそのカップから水があふれていて。
どんなに強く蛇口を締めても、何か蛇口を締めるのをさまたげていないかを調べても、まったく原因がわかりません

1週間もたつと、童謡「壊れた水道」が脳内エンドレス。そろそろあきらめて、さて、明後日土曜日だから水道屋さんを呼ぼうかと本気で思っていました。ちょうどその日は、体調が悪く早く帰宅して、テレビのチャンネルを回していました。ふと目に留まったのはNHKスペシャル。
きのこ雲の下で何が起こっていたのか
70年前の8月6日、広島で何がおこったのか…。
その場の状況を再現した映像、
当時その場にいた人達の言葉や体に受けた傷。
水を求めて、川に飛び込み、
水をねだっても、口を開ける力もなく。
そうやって亡くなった人がたくさんいて。
自分の思い出せる痛みを超える痛みに耐えた人々のことを思って、静かに手を合わせていたそのとき、ふと気が付くと部屋は静かになっていました。
何かの偶然とは思いつつ、季節は盂蘭盆会。
もしかすると、あの日の人達がふとこちらの世の中に心を寄せていたのかな…と想像。今もこちらの世を見守っていてくれていると思いたくて。
70年の間、私たちの国が他国に国をあげて罪を重ねてこなったことに感謝し、亡くなった方々のご冥福をお祈りしております。

(写真は清水寺の音羽の滝)