
悼む人/文藝春秋

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10月19日からパルコ劇場で、映画で「ケイゾク」や「SPEC」、「BECK」を監督した堤監督の演出、向井理さん、小西真奈美さん主演の「悼む人」が上演されています。さっそく10月20日に見に行ってきました。
冒頭から、まるで映画を見ているかのような感覚なのに、ふと後ろを見ると、
「静人がいる」
ってな展開で、舞台上のことなのか、現実に起こっていることなのか、わからなくなるような錯覚を覚えました。音響もその場の空気感をとても大事にしていて、その世界に容易に入り込むことができました。
また、主演の向井さんの熱演はもとより、それを支えていた小西真奈美さんや手塚さんの演技が物語を厚くしていたように思いました。
「元夫が憑依する妻」
「父親に捨てられて、また自らも父親を捨ててしまった雑誌記者」
彼らの変容ぶりが、「静」の「静人」の行動の意味をより熱く訴えているような気がしました。
最後の静人の選択はおそらく重い足かせをつけることになることになるかもしれない・・・と思いつつ、人の生と死を改めて、考えるきっかけとなりました。