※画像は購入先ヴァンエボヌールから
 
 
LAGAVULIN
AGED 11 YEARS
OFFERMAN EDITION
FINISHED IN GUINNESS CASKS
 
ISLAY SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
 
 
産地:スコットランド アイラ島
原料:モルト
容量:30ml
アルコール:46%
樽構成:ギネスビールカスクフィニッシュ
小売価格:700ml / 14,800円
 
 
色:琥珀色
トップノート:4
アタック:4
香り:ヨード、燻製肉、ハチミツ、茹で卵
味わい:黒糖、ピーティー、ミルクチョコ、シャルドネ、アニス
アルコール感:3
ピート感:5
 
 
 
総評:4.5
 
 
 
■ ラガヴーリン蒸留所について
 
ラガヴーリン蒸留所はアイラ島の南部に位置し、1742年に密造所として創業された成り立ちがあります。
当時は近隣に他に10軒もの密造所が稼働していたみたいですね。
1816年にジョン・ジョンストンが周囲の密造所らと協力して蒸留のライセンスを得て合法蒸留所となりました。
ラガヴーリンはゲール語で「水車小屋のある窪地」を意味するようです。
1836年にはアレクサンダー・グラハムがラガヴーリンの所有者となり、隣にあったアードモア蒸留所を合併したみたいですが、ウィキペディアの注釈にあるようにサントリーが所有するハイランド地区のアードモア蒸留所とは全くの別蒸留所になります。
サントリーはブレンデッドウイスキーのティーチャーズとその原酒のアードモア蒸留所を所有しているみたいですね。
 
 
1852年にジョン・クロフォード・グラハム、1867年にジェームズ・ローガン・マッキーが蒸留所の所有者となる。
1878年にはジェームズの甥のピーター・マッキーが蒸留所で修行を開始し、1889年にピーターが蒸留所を相続すると同年に株式会社化し、1890年にブレンデッドウイスキーの「ホワイトホース」を発売。
このピーター・マッキーが周りの蒸留所が閉鎖する中、ラガヴーリンをここまで成功に導いたみたいですね。
 
ラガヴーリンはそのホワイトホースのキーモルトとして現在に至っています。
「ホワイトホース」でワンランク上の「ローガン」はローガンおじさんの名前にちなんでいるみたいですね。
 
 
 
■  テイスティングノート
 
香り立ちはヨード香や磯の香り。
燻製のスモーク香。
甘味良いハチミツ。
茹で卵のタンパク質の香り。
アタックは嗅げば鼻を刺すくらいはあります。
 
味わいは口当たり滑らかなテクスチャ。
黒糖のような甘みに燻製肉のスモークが絡みます。
モルティさはミルクチョコのようなコク。
シャルドネの酸味感。
余韻はスモーキーなレザー感、甘い潮の風、ヘザーピートのフローラル、アニスのスパイスで複雑にフィニッシュ。
 
 
 
■  ラガヴーリン11年の考察
 
アイラウイスキーのスモーキーウイスキーは、まあ似たり寄ったりなのはピートを焚いたモルトの分かりやすすぎる味わいだからですが、ラガヴーリンといえば煙、甘み、辛味、酸味、苦味が均衡してブレンドされてることで人気ですね。
このラガヴーリン11年オファーマンエディションは、アメリカのコメディ番組でラガヴーリンをこよなく愛するロン・スワンソンを演じるニック・オファーマンが蒸留所とコラボした限定商品の第2弾みたいです。
ギネスビールの空樽で4ヶ月間の追加熟成させたこのウイスキー、ビール樽熟成だとちょっとキワモノな味わいになりがちですが、さすがはラガヴーリン、そんな心配はなかったですね。
 

 

 

 

 

 
※画像は公式ホームページから
 
THE SINGLETON
12 YEARS OLD
LUSCIOUS NECTER
DUFFTOWN
 
SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
 
 
産地:スコットランド スペイサイド地区
原料:モルト
容量:30ml
アルコール:40%
樽構成:PX、オロロソシーズンズ樽、extraバーボン樽
小売価格:700ml / 3,800円
 
 
色:カラメル色
トップノート:3
アタック:2.5
香り:バニラ、カヌレ、レザー、ラムレーズン
味わい:ラムレーズン、ハニーレモンジンジャー
アルコール感:2.5
ピート感:0
 
 
 
総評:4
 
 
 
■ ダウタウン蒸溜所について
 
ダフタウン蒸留所は、1895年にブレンディング会社マッケンジー&カンパニーによって建設されました。
 
 
 
「シングルトン」というウイスキーは3蒸留所が共同使用するブランド名のことみたいです。
もともと1986年にオスロスク蒸留所がシングルトンブランドを作りましたが、現在はグレンオード蒸留所グレンデュラン蒸留所ダフタウン蒸留所がシングルトンを生産しています。
これはディアジオのモルトウイスキー初心者に飲みやすいブランドのイメージ戦略として生産しているらしいです。
「グレンオード」は東アジア向け、「グレンデュラン」は北米加向け、「ダフタウン」は欧州向けに販売展開しているみたいですね。日本ではダフタウンとグレンデュランが手に入りやすいですね。
ちなみにオスロスク蒸留所もディアジオが所有しています。
 
ディアジオの広報によると、「同じシングルトンという名前でありながら、3つのシングルモルトの風味は大きく異なります。それぞれの蒸溜所のウイスキーを要約するのは難しいのですが、ダフタウンはナッツのような穀物の香り、グレンデュランはフレッシュな果樹園のフルーツ、グレンオードはダークベリーの香りが特徴です。いずれのウイスキーも見事にバランスのとれた香味で、リッチかつスムーズな余韻が楽しめます」とのことです。
 
 
 
■ テイスティングノート
 
香り立ちは甘いバニラの芳香。
洋酒使いのカヌレのデザート。
奥からレザーのドライな香り。
それら含めてラムレーズンアイスのよう。
アタックはさほど無く香りのバランスは良いです。
 
味わいは口当たり滑らか。
ラムレーズンの甘みと酸味。
ハニーレモンジンジャーの味わい。
ジンジャーのピリッとしたスパイシーさ。
余韻はジンジャーが喉を温め長くフィニッシュ。
 
 
 
■ シングルトンダフタウン12年の考察
 
酸味と甘みのバランスが良く、どちらも旨味として良い面だけが表れています。
驚くことにこれで40%なんですよね。
正直これは美味しい。
THEウイスキーのようなバランス感覚にレモンジーナの酸味を堂々とプラスしたその主張はブレンダーの思惑通りかもしれません。
それでいて後味にコクが絡む奥深さは、複雑な味わいを持つウイスキーならでは。
なるほど、これがダフタウンですか…。
他の商品も味わってみたいですね。
 
 

 
 
GLENGOYNE
AGED 10 YEARS
 
HIGHLAND SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
 
 
産地:スコットランド ハイランド地区
原料:モルト
容量:100ml
アルコール:40%
樽構成:
希望小売価格:700ml / 4450円
 
 
色:ゴールド
トップノート:3
アタック:3.5
香り:バニラ、ゴム、ミルクチョコ
味わい:ハチミツ、アニス、レザー、リコリス
アルコール感:3
ピート感:1
 
 
 
総評:3
 
 
 
■ グレンゴイン蒸留所について
 
1833年にジョージ・コネルが祖父の土地を使って蒸留所免許を取得したことからグレンゴイン蒸留所の歴史が始まります。
元々はバーンフット蒸留所という名前でしたが、1876年にグラスゴーでブレンダーをしていたラング・ブラザーズが蒸留所を買収しグレン・グイン蒸留所と改名しました。1907年に英語化しグレンゴイン蒸留所になったみたいですね。
1965年にエドリントンがラングごと買収しましたが、2003年に不要蒸留所として売りに出したみたいです。
エドリントングループは18銘柄を要し、カティサーク、グレンロセス、グレンタレット、ハイランドパーク、マッカランを所有しているみたいです。
2003年にグレゴインを買い取ったのはイアンマクロード社で、蒸留所の観光資源に力を入れ年間5万人を呼び込む重要蒸留所として成功しています。
イアンマクロードグループは16銘柄を要し、グレンゴイン、ローズバンク、スモークヘッド、タムドゥー等を所有しています。
 
 
グレンゴインはハイランドの中央部に位置し、渡り鳥であるガン飛来の境界線であるためグレンオブギース
 
 
■ テイスティングノート
 
香り立ちは弱めの芳香で、バニラエッセンスの甘さがあり、同時にゴムの香りもあります。
ふんわりミルクチョコのような優しい甘さも漂います。
アタックはさほど無いものの香りのバランスは良いです。
 
味わいは口当たり滑らかなテクスチャ。
薄いハチミツの甘みがウイスキーのアルコールと共に口中に広がります。
アニスシードのピリッとしたスパイシーさやアルコールが鼻に抜けます。
余韻はレザー感やリコリスのドライな後味。
 
 
 
■ グレンゴイン10年の考察
 
エントリーモデルでもあるためけっこう薄めの味わいです。
しかし余韻に広がるのは熟成された辛味と甘味で、それらが織り成す味わいはキレのよいものでした。
ブレンドの狙いはドライなキレ味でシェリーとも違う、アメリカンオークの甘味とも違うさっぱりしたカスクブレンドなのではないでしょうか。
スコッチでありながらピート麦芽を一切使っていないノンピートウイスキーというポリシーもまたこのさっぱりした味わいに寄与しているのかもしれません。
 
 
 
 
 
 
 
WHITE HEATHER
YEARS 21 OLD
 
BLENDED SCOTCH WHISKY
 
NON CHILL-FILTERED
NATURAL COLOUR
 
産地:スコットランド
原料:モルト、グレーン
容量:60ml
アルコール:48%
樽構成:PXシェリーパンチョン樽、オロロソシェリーパンチョン樽、ヴァージンオーク樽etc
市場小売価格:700ml / 17,800円
 
 
色:焦げ茶
トップノート:4
アタック:3.5
香り:レザー、バニラ、ゴム、クリーム
味わい:黒糖、ピーティー、ミルクチョコ、シャルドネ
アルコール感:3
ピート感:5
 
 
 
総評:4
 
 
 
■ ホワイトヘザーについて
 
グレンアラヒー蒸留所のマスターブレンダーを務めるビリー・ウォーカー氏が手掛けるブレンデッドウイスキーがこのホワイトヘザーになります。
モルトとグレーンの比率は47:53で、大体半々の割合になってます。
通常ブレンデッドウイスキーはモルト含有率が30%以下なので47%は高い方になります。
 
使用原酒は18年熟成のハイランド、スペイサイド、アイラの3種類をバッティングし、PXシェリーパンチョン樽、オロロソシェリーパンチョン樽、ヴァージンオーク樽で3年追熟し完成するのがホワイトヘザー21年になるようです。
もちろんグレンアラヒーの18年物も使われているので贅沢な一品といえます。
 
サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SWSC)2021でダブルゴールドを受賞してます。
スピリッツコンテストは素人から選ばれる審査員が多数いるようなのでどうしても受賞にムラがあるように思います。
SWSC2021ではブレンデッドモルトのモンキーショルダーもダブルゴールドを受賞しています。
ウイスキーは瓶詰や開栓タイミングにより味わいが左右されてしまうので、なぜこのウイスキーが受賞というのがままありますよね。
ことホワイトヘザー21年に関しては金賞は妥当だなと思いましたが、ウイスキーにおいてコンテスト入賞はあまり参考にしない方が良いと思います。飲んでみたことないウイスキーなら受賞を機に飲んでみるのは大いにありです。
 
 
 
■ テイスティングノート
 
香り立ちはアルコールと共にレザーのドライな刺激。
バニラの甘さがあり、ゴムタイヤの香り立ちも。
奥からはクリームのような優しい甘さも漂います。
21年熟成のわりにはアタックがあり、総合的な香りのバランスは良いですね。
 
味わいは口当たり粘度のあるテクスチャでポッと黒糖の甘みが乗ります。
ピリッとピーティーさも若干感じます。
ミルクチョコの優しい甘さが現れ余韻まで残ります。
余韻には喉にほどよい辛味も残るのでやはりピートが効いてますね。
それらの甘さが木材のエグミを心地よい旨味に変換していくのだと思います。
シャルドネの酸味が長く余韻として残ります。
 
 
 
■ ホワイトヘザー21年の考察
 
グレーンウイスキーがクセある酒質のモルトウイスキーを飲みやすく深みある味わいに変換してるのだと思います。
21年熟成なので荒々しさはまろやかに、しかし特徴ある酒質はそのまま残すことで退屈なくウイスキーを嗜むことが出来るのだと、ホワイトヘザー21年はそう語っているのかなと考察致しました。
 

 

 

 

 
 
 
 
TALISKER
SELECT RESERVE
「GAME OF THRONES」
-HOUSE GREYJOY-
 
SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
 
産地:スコットランド スカイ島
原料:モルト
容量:60ml
アルコール:45.8%
希望小売価格:700ml / 8000円
 
 
色:焦げ茶
トップノート:3
アタック:2
香り:ヨード、ハチミツ、ヘザー、モルト
味わい:タバコ、黒蜜、モルティ、ビターチョコ、ペッパー、キウイ
アルコール感:3
ピート感:5
 
 
 
総評:3.7
 
 
 
■ 米ドラマ「ゲームオブスローン」について
 
米HBOの大ヒットテレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ (GOT)」とディアジオのコラボによる限定商品。
ドラマ自体観たことないのですが、8種類のウイスキーにはそれぞれドラマ内のナイツウォッチという各名家のネーミングが付されているようですね。
タリスカーはグレイジョイ家の名が施されているみたいですが、イカの絵はクラーケンでしょうか無気力はてなマーク
8種類にはカーデュ、クライヌリッシュ、ロイヤルロッホナガー、シングルトン、タリスカー、ラガヴーリン、ダルウィニー、オーバンの錚々たるメンツがコラボしていますね。
 
ちょい調べてみたのですが、ドラマが7シーズンを終えた大ヒットを機にディアジオとのコラボが実現したみたいで、アメリカでは8種類全て70ドル以下(タリスカーは45ドル!)で販売されたみたいですね。日本ではメーカーに沿っての価格帯にしたのか入荷数による価格帯にしたのかは分かりません。
そしてウイスキーと名家の割り当ては味わいで選ばれたわけではなく、蒸留所の歴史と地理的要素がマッチングしてるかどうかで選定されたみたいです。
それぞれのラベルには各家の印章が描かれていて、タリー家はマス、ラニスター家はライオン、ターガリエン家はドラゴン、グレイジョイ家はクラーケン、スターク家は大狼、タイレル家はバラの花、バラシオン家は牡鹿、が描かれています。
やっぱりクラーケンでした指差しスター
ちなみにジョニーウォーカーとモートラックからもコラボウイスキーが出ているみたいです。
ジョニーウォーカーはボトルを冷凍庫に入れると隠し文字が浮き出るギミックがあるみたいですね。
 
引用元:Forbesから
 
 
 
■ テイスティングノート
 
香り立ちはヨード香が漂い、茹で卵の蒸せるたんぱく質の香り。
草花のようなドライ香に大麦麦芽の甘さ。
奥からスモーキーさも発せられています。
アタックはさほどなく、香りの良い芳香ですね。
 
味わいはファーストタッチはタバコのスモーキーさ。複合的にはミーティー。
わっと盛り上がる甘みは黒蜜の芳ばしいコク。
ビターチョコの芳ばしいコク。
モルティの甘みも感じられます。
甘みに慣れるとキウイのような酸味が現れますね。
余韻は唇をしびらせるホワイトペッパーのスパイスでフィニッシュ。
 
 
 
■ タリスカー「ゲームオブスローン」の考察
 
さすがタリスカーの分かりやすい旨味ある酒質ですね。
それにシェリー樽で後熟させたのでしょうか、珍しい甘みに化学反応してますね。
若干のエグミもクセになるものになっています。
スコッチの本場のスコッチモルトドットコムでは80点ですのでなかなか高評価になってますね。
中でもラガヴーリン9年は90点ですのでテイスティングの期待値も上がります。
8種類すべてが良質な味わいのウイスキーメーカーなので機会があれば全部嗜みたいなと思います。