F's Garage ⑤
「これこそ、山本君の愛車CB650Rのご先祖様――CB650だよ」
「これがCB650ですか!」
俺は初めて見るバイクに、思わず見入った。

「まあ、諸説あるけどね。当時のホンダは、国内向けを『A』、海外向けを『B』として型式を分けていたようだ」
「なるほど……」
「つまり、このCB650こそ、本田宗一郎の時代に生まれた、ホンダ初期の海外戦略車のひとつってわけさ」
「なるほど。これが、ご先祖様ですか……」
気がつけば、周りにいたゲストたちも、このCB650を取り囲んでいた。
俺は、しばらくその姿を眺めた。
40年以上バイクに乗ってきた。
そして今、還暦を目前にして、まさか自分のCB650Rのルーツに出会うとは思わなかった。
「すごいです……。すごすぎます、Fさん」
俺は、思わずそうつぶやいた。
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