F's Garage ④
「ここにある21個のヘルメット、全部、自分でペイントしたんだよ」
「自分で、塗ったですと?」
俺は思わず聞き返した。
お世辞抜きで、どう見てもメーカー純正のペイントにしか見えない。
ステッカーだと思っていた部分も、よく見ると、そのほとんどがペイントだった。
ほかの客たちも、信じられないといった表情でヘルメットを眺めている。
「さて、山本君には、挨拶代わりに一台、バイクを紹介しよう」
F氏がそう言って、ガレージの奥を指差した。

「これだよ。車種はわかるかい?」
俺はしばらく眺めた。
「さて……CB72ですかね?」
「ブー!」
F氏は、うれしそうな顔をした。
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