F's Garage ①
いつもの峠、通称「K-1」で、仲間たちと暑さをしのぎながら木陰で休んでいると、F氏から声をかけられた。
「山本君、お盆休みはどうするの?」
「いや、特に予定はありませんけど」
F氏は、俺のバイクの師匠である。年齢は俺より5つほど上だと思うが、これまで正確に聞いたことはない。
「山本君とは長い付き合いだけど、俺のガレージには来たことがないよな」
「はい。師匠、いつもはハーレーかCB400ですよね」
「まあな。ハーレーは乗りやすいし、CB400は俺が高校生のときに初めて買ったバイクで、思い入れが強いんだ」
「なるほど。師匠は、峠を攻めるタイプではないですもんね」
「俺も若かったら、山本君には負ける気がしないけどね」
「それは、そうでしょうけど……」
俺は苦笑した。
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