真夏の方程式 ⑰
サーキットのライダーは必ず履いている。
オフロードライダーも同じだ。
「ということで――ワークマンに戻ります」

史は力強く宣言した。
「ここじゃダメなのか?」
俺は率直に聞いた。
「ダメじゃないけど、ひとつ目星を付けてるやつがあるの」
「なるほど」
ここまでくると、完全に史に任せた方がよさそうだ。
「じゃあ、お任せしようか」
そう言いながら、俺は助手席のシートトベルトを締めた。
どうやら娘による『還暦ライダー安全強化計画』は、まだまだ続くらしい。
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