真夏の方程式 Ⅵ
ほぼ全面がメッシュ素材だ。
手に取っただけで分かる。
これは本当に涼しそうだ。
だが、ただ涼しいだけではない。
肩と肘には、最初からしっかりとプロテクターパッドが入っていた。
肩と肘――。
そこは、まさに俺が事故でひどく痛めた場所でもある。
俺はジャケットを広げながら、さらに細かく見ていった。
「それに、オプションみたいだけど、背中にもプロテクターを入れられるようになってるな」
背面には、脊髄パッド用のポケットが縫い付けられていた。
「でしょ?」
史が少し得意げな顔をする。
「まあ、お値段以上なのは間違いないわね」
そう言われて、俺は値札を見た。
そして思わず声が出た。
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