真夏の方程式 Ⅳ
「まずはグローブね。事故の時、かなりしっかりした革グローブしてたのに、拳やられたでしょ?」
「ああ。夏用の薄いやつだったら、もっと大変だったと思う」
「なら、今回は“涼しいけど守る”方向で」
そう言って史が手に取ったのは、通気性の良さそうな(手のひら側が)メッシュグローブだった。
「お、意外と握りやすいな」
ハンドルを握る真似をすると、ラバー製のガードが自然に拳へ沿った。
「親指と人差し指も補強されてるし、スマホ対応。どう?」
「かなりいい」
値札を見る。
「……え?」
「どうしたの?」
「これ、千円台なのか?」
史はニヤリと笑った。
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