“オーシャン・エコノミー”と“お魚マルシェ”構想
全行程を終え、玄関先で矢野教授が言った。
「プロの上田さんはもちろんですが……天野次長と大杉主任も熱心ですね。感心しました。」
「恐れ入ります、矢野先生。」
「これまで漠然としていた“オーシャン・エコノミー”と、私たちの“お魚マルシェ”の構想が、ガチッとつながりました。本当にありがとうございます。」
天野次長の言葉は、胸の奥から出たものだった。
「大阪OBCさんの挑戦、私もアカデミーの立場から注目しています。何かあれば、いつでもご連絡を。」
教授は穏やかに微笑み、深く頷いた。
「必ずご連絡しますわ。」
力強く答えて、天野次長は研究施設を後にする。

車内に戻ると、上田所長がぽつり。
「すごい施設でしたねぇ。」
「本当に……来て、見て、よかったわ。」天野次長もしみじみと応じる。
「でも、夕食はやっぱりお肉がいいですね、今日は。」
大杉主任が、ふいに笑いを交えて言った。
「そうだねぇ。」
天野次長も、つられて小さく笑った。
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