阿波経済研究所にて。
午前10時。俺は徳島市内にある阿波経済研究所を訪れた。
対応してくれたのは、上席研究員の赤木紳一郎さん。「真面目」がスーツを着たような方だった。

名刺交換と軽い雑談を終えると、すぐに本題に入った。
「赤木さん、さっそくですが……『神山まるごと高専』について、一からご説明いただけますか?」
「もちろんです」
彼は資料を開きながら、落ち着いた声で語り始めた。

「まず、学校の概要ですが──正式名称は『神山まるごと高等専門学校』。徳島県名西郡神山町に2023年4月に開校しました。定員は1学年40名、全寮制です。設置学科は“デザイン・エンジニアリング学科”で、テクノロジー、デザイン、そしてアントレプレナーシップを柱に教育を行っています」
「アントレプレナーシップ……つまり、起業家精神ですね」
「そうです」
俺は思わず感嘆の声を漏らした。
「なるほど……それは、かなり先進的ですね」
赤木氏はうなずき、さらに説明を続けた。
「この学校の設立を主導したのは、Sansan株式会社の代表取締役社長 兼 CEO──寺田親弘(てらだ・ちかひろ)氏です。彼は神山町に深く関わりを持つ実業家で、教育によって地域と世界をつなぐビジョンを持って、この高専を立ち上げました」
「Sansanって……あの、名刺管理のクラウドサービスの?」
「その通りです」
赤木氏は、寺田氏の経歴も手短に紹介してくれた。
「寺田氏は大学卒業後、三井物産に入社。米国シリコンバレーでベンチャー支援を経験し、帰国後の2007年にSansan株式会社を創業しました。以降、“働き方を変えるDX”を掲げて、さまざまなクラウドサービスを展開しています」
「たしかに、Sansanはよく耳にします」
「代表的なサービスは、法人向けの営業DXクラウド『Sansan』、請求書のデジタル化サービス『Bill One』、契約書のデータ管理ツール『Contract One』、そして個人向けの名刺アプリ『Eight』です」
「『Bill One』は……ああ、うちの会社でも使ってますよ」
思わず口に出た。
赤木氏は笑顔を浮かべながらうなずいた。
「利用企業は非常に多いですね。こうした“デジタルで働き方を変える”という企業理念を、次の世代の教育に応用したのが、神山まるごと高専なのです」
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