地域戦略部には戦略が無い(109) | cb650r-eのブログ

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ながさき地域戦略研究所

 

「大阪ビジネスコンサルタンツの天野次長と大杉主任ですね。お待ちしておりました」
迎えてくれたのは、主任調査役の亀田氏。落ち着いた声と柔らかな笑顔が印象的だった。

 



「千﨑部長から、今朝も念押しの電話がありましたよ。“質問には正直に答えろ”ってね」
亀田主任調査役は笑いながら、二人を会議室へと案内してくれた。

「千﨑部長とは、福岡で開催された九州道州制の会議で意気投合して、中洲に飲みに行ったのがきっかけで仲良くなったんです」

「そうなんですね」
と天野次長が相づちを打つ。

「でもね、千﨑さんは、こちらに飲み代を払わせてくれないんですよ。結果、こっちは“借り”ができた状態になる。その後、何年にもわたって、ちょこちょことお願いごとがくる。こっちも断れない。……そういう構図です」

「はい、それ、全国展開してますね。全国で」
と大杉主任がニヤリと笑う。

 



「全国ですか。さすが千﨑さん……」
亀田主任も笑いながら肩をすくめた。

ふと表情を引き締め、亀田主任が本題に戻す。

「ところで、今日のミーティングのテーマは“長崎の魚事情”としか伺っていないのですが」

「はい。私たち、先日仕事で金沢に行ってきまして、近江町市場でお寿司と海鮮丼をいただいたんです」
と天野次長。

「近江町市場ですか……。実は私もコロナ前に行きました」

「で、その帰りの新幹線の中で、ふと調べてみたんです。人口10万人あたりの寿司店の数で、石川、富山、福井――いわゆる北陸3県がトップ。長崎は10位でした」

「大健闘…ですかね。実感はあまりわきませんが」
と亀田主任が少し苦笑する。


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