2人の共通点は…。
天野さんのキャリアを回顧した後、今度はもう一人のキーパーソン——大杉さんの顔が浮かんできた。
彼女が間髪入れずに「サポートします」と言った理由は何だったのか?
少しずつ、記憶が呼び戻されてくる。
たしかに、彼女も英語が堪能だった。いや、それだけじゃない。
そう、彼女もたしか……大阪外語大の出身だったはずだ。
——専攻は……なんだっけ。確か、“スワヒリ語”とか……
そこまで思い出しかけたところで、背中をポンと叩かれた。
「ジャンボ!(こんにちは)」
振り返ると、そこには満面の笑みの大杉主任。
「……まさか今、私がスワヒリ語学科卒だったの思い出してました?」
「……なんでわかった?」
「顔に書いてありましたよ」
「え〜、マジで……」
「冗談ですよ、冗談」
そう言って、彼女は軽く手を振りながら自席に戻っていった。
天野次長も、大杉主任調査役も、それぞれのデスクで、すでに“構想モード”に入っていた。
俺にはまだその“全貌”は見えていないが——このふたりが組むなら、何かが動きそうな予感だけは、確かにあった。
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