オートバイをもう一度(147:終) | cb650r-eのブログ

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いよいよ納車。

 

さて、2024年8月の日曜日の昼下がりのことである。 俺には2人の娘がいる。長女は阪大の医学部医学科の4年生、次女は阪大の理学部数学科の1年生。 2人とも夏休みで、実家に帰省している。

俺は、寝転がりながら「CB650R E-clutch」のカタログを眺めていた。 そこに、2人がニヤニヤしながら近づいてきた。

「お父様、退職金でバイクを買われたんですね。しかも新車で。」と長女。 「お高いんでしょ~?」と次女。

「正しくは『積立ニーサ』、つまりパパのへそくりです。」

「ズルーイ!」 「私たちにも買って~買って~!」

「何を買うんだ?」

「え~、まずは長女の私から。アメリカ製の聴診器、色はワインレッド一択! 臨床学習がそろそろ始まるんだよね。」

「私は、YAMAHAの2輪! 通学に使うから、アパートに届けてください。」と次女。

「今、取ってるのは車のAT免許だろ?」

「電動自転車っす。10万円超えのやつ。」 

「わかった、わかった。」 

 

「私は携帯電話の機種変で~」と妻の華が、話に加わった。

「それも含めて、了解、了解。」

2024年12月26日の午後、家の納屋にCB650R E-clutchが収まった。 妻と子供たちが音を聞きつけて、見に出てきた。

「かっこいいねぇ!」

35年間の俺へのご褒美。 「いいんじゃねぇ?」と俺はつぶやいた。


第一部終

 

 

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