上海のお楽しみは…。
1997年の4月上旬のことだ。俺は一人で伊丹空港を出発し、上海虹橋(ホンチャオ)空港を目指していた。揚子江から海に流れる水は黄土色で、美しいとは言えなかった。飛行機は無事に上海虹橋空港に着陸した。
虹橋空港には、平賀支店長と運転手の謝(シエ)さんが迎えに来てくれていた。手荷物はトランクケース一つ、残りの荷物はダンボール4箱で、2週間後ぐらいに航空便で届くはずだ。住まいは国際貿易中心ビルの22階のワンルーム。つまり、オフィスと住居は同じ建物の中にある。マンションは一人暮らしには充分な広さで、家電も全て備え付けである。
マンションのテレビには、NHK総合テレビと日テレが映る。ただし、日テレのコマーシャル時は画面が真っ暗になる。
とにかくNHKの連続テレビ小説は、早朝にBSで見て、総合で朝見て、昼の再放送を昼食を食べながら見て、週末に1週間のダイジェスト版で見て計4回観ることができる。毎日楽しみだった。あと、今まで見たことのなかった日曜昼の「のど自慢」がなんと楽しいことか。毎回自然と涙が流れた。そして、日テレの「電波少年」。有吉がヒッチハイクして毎回ドキドキしながら見ていた。とにかく日本のテレビは最高だ。
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