半年前に、CB650R e-clutch を注文したよ。
初めてのパスポート
さて、1997年の幕開けである。約束の4年間もあと3か月。月島に移ったオフィスは広くない。スタッフの削減は、男性スタッフ支店長、次長、支店長代理と女性スタッフ5人に削減する予定であったが、10人いた女性スタッフは、オフィスが京橋から月島に移転することを知ると、6人が自主退職を申し出、4人になった。やはり、市場と貿易を学ぶ場としては最適であり、本部と掛け合い若手社員を2名置くことになった。 現在のスタッフは、支店長、次長2名、支店長代理2名、若手男性3名、女性スタッフ4名の12名。4月には小川次長と俺が抜けるので、新年度は10名でのスタートになるはずだ。若手の勉強となる素材は、十分に残したつもりだ。
1月上旬のある日の午後、小川次長と俺は、松岡支店長から応接室に呼ばれた。 「東京支店いや、東京分室は、4年前とは大きく変わったな。一言で言わせてもらえば、『活気の場』になった。」 「松岡支店長のご理解があってこその改革成功でした。」と小川次長が言った。 「そこでだ、さすがに真冬には二人ともバイクには乗らんのだろうが、今月、連続休暇を取得してはどうか。独身の山本はさておき、小川次長は家族サービスをしてみてはどうか。東京も残りわずかだぞ」 「ありがとうございます。」 「あ、私、独身の山本も、お休みいただきます。」 「よし、決定だ。」
「もう一つ。これは、山本だけだが…、来月2月の下旬に研修がある」 「何の研修ですか?」と俺は尋ねた。 「海外研修だ。上海・香港5日間。まぁ、つまり人事部からのご褒美だ。行ってこい。」 「外国なんて行ったことないし。パスポートも持ってないですよ。」 「じゃあ、俺の方から断っておこうか?」 「いえいえ、せっかくのお誘いなので…。すぐにパスポート申請します。」 「よし、行ってしっかり学んで来い。」
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