私の CB650R e-clutch は、納車遅延中です。
合弁会社の末路
専務は30代半ばのはずだが、見るからに疲れ果てていた。
専務によれば、四海吉本衣服有限公司は、東国共和国側が51%、日本の吉本衣装が49%の議決権を持つ合弁会社だった。設立当初は、ベネソンやレイソンハウスといったブランドの正規品を生産し、順調に業務を進めていたという。しかし、やがて状況が変わり、総経理(社長)は吉本専務でありながら、日本側のコントロールが徐々に効かなくなったそうだ。その頃には、日本国内の吉本衣装も業績が悪化し、メインバンクからも警戒されるようになっていた。決済をL/Cベースに切り替えたのも、東国側が吉本衣装の信用に懸念を抱いたからだという。
ブランドの模倣品輸入は、東国側の発案だったが、最終的には吉本社長が違法と分かっていながら実行したことが原因となった。そして、四海吉本衣服の49%の議決権(株式)は、最終的に二束三文で全て東国側に譲渡されたそうだ。
私は、取手が外出している間に、田沼部長と下谷次長に事の顛末を報告した。
「で、山本は港に検品に行かなかったのか?」と下谷次長が尋ねた。
「いえ、行きました。」
「何か、気づかなかったのか?」
「…いえ。初めてでしたので、何も分かりませんでした。」
少しの沈黙が続いたが、田沼部長が口を開いた。
「そうか、山本。これからはグローバルな感覚を養え。」
「はぁ。」
「お前、外国製のバイクに乗ってるんだろう?きっとできるさ。」
このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。
