今日の本:オフブロードウェイ奮闘記 | 人生真っ只中

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今回の本はとても読み応えがあり心躍り、感動で涙も洟水も出る、読んでる私もドキドキハラハラしながら読み上げた。約2カ月間のニューヨークでの舞台稽古から開幕中、千穐楽の中谷美紀さん主演の「猟銃」、私は原作の井上靖さんの本読んだことはないけれど、舞台の様子を読んでいると作品がイメージしやすく、この機会に原作も読んでみたい。



私は普段演劇などは見る方で単にエンターテイメントくらいにしか思ってなかったのが誠に恥ずかしい。演者、演出家はもちろんセットの人やスポンサーもひっくるめて一つの作品にこんなに真剣に手間暇かけて作り上げているのを初めてしるいい機会にもなった。


さてこの舞台の準備でニューヨーク行った頃とちょうどMETでワーグナーのLohengrinがやっていた頃と重なり、Lohengrinの初日中谷さんも実際に見に行きレセプションにも参加し主演で歌ってる歌手の方々や劇場のマネージャーのピーターさんの話題も出てくる。私は数ヶ月後日本でオペラを見た映像で見たわけですが、あれを実際見てそして会場で会話してるシーンを思い浮かべるだけで頭の中は豪華になる。


私の関心ごとはコロナ以降の世界の事情だった。本来ゲルギエフが指揮するLohengrinだったもののウクライナ侵攻で話がなくなってしまったこと、それに伴いコストや物価が高騰していること。貧富の差が各地で起こっていることなど、テレビなどではなんとなくでしかわからない情報などがとても興味深く、それとご主人の所属するウィーンフィルの話や音楽事情はとても興味深かった。


私のようなものがとやかくいうことではないのだけれど、体調のメンテナンス、周りとのコミュニケーションや交渉、アメリカや日本からの取材、など読んでいるだけで大変という言葉だけでは生ぬるく、そういうことも全部やってのけるって私が思ってる女優さんを超えていた。私の女優さんに対する概念が崩れていく。


公演中などは目に肥えた聴衆を相手に演じるのも大変だと思うのに、言葉は日本語で三役を演じスクリーンで英語字幕、そしてバリニコフさんはダンスで表現をしてると考えるだけで分かるものだろうかと思ってしまう。途中ニューヨークタイムズの酷評があったり、高熱も出た中で演じたり、機材のハプニング、ちょうどその時坂本龍一さんの訃報とさまざまなことが起こった中で千穐楽を迎える。終えた時というのはどのような感覚なんだろうと読んでる私まで涙が溢れる。

本読んだだけなのに私がその気になってしまっている変な感覚。


私はあまり演劇というものに興味はなかったけれど、いい作品というのは国境も超えるらしい。改めて演劇に関わらず本にしてもオペラにしてもいい作品というものに触れてみたいと思った。


まずは井上靖の猟銃を読んでみたい。

私がこれ読むと昼ドラになってしまわないか不安の種がある。世俗的な見方とならずに純粋に読んでみたい。