自家醸造 | 断酒てへ日常

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断酒を続けること、そのために断酒例会に毎日出席を続ける日々

 酒を日常的に飲んでいた頃は、仕事をして、家に戻ると晩酌をしながら夕食を食べ、あとは眠るまでちびちびと酒を飲み続けるだけで一日が終わっていました。これではあまりにも怠惰に日々を過ごしている。せめて日常的に楽しめる趣味も持たなければ、そんなことを感じたものです。

 とは言うものの、酒を飲むことを欠かすつもりはさらさらなかったのです。かといって「酒を飲むことが趣味です」では意味をなさないです。そこで思いついたのが酒にかかわることを趣味にしようということでした。

 

 そして始めたのが「自家醸造」と言う遊びです。それは自宅でお酒を造ろうというものです。実際に試したのがビール、どぶろく、ワイン、シードル(リンゴワイン)、ミード(蜂蜜のお酒)などでした。

 

 ワインはブドウを潰した状態に置くだけで酒になります。(酵母菌は果実の皮に付着しています)どぶろくは蒸した米と麹と水、それにイーストを加えておくと出来上がり、絞ると濁り酒と酒粕になります。ビールは麦芽から作られた水あめ溶液にホップ、イーストを加えて発酵させて作ります。発泡は一次醗酵した液を瓶詰めし瓶内で二次発酵させることでシュワシュワができるのです。

どぶろく造り

 

 基本は原液の糖分をイーストでアルコール発酵させることによりアルコールを生じさせることに尽きますが、どぶろくではコメのでんぷんを麹で糖化させる工程があったり、ビールでは麦芽による糖化工程もあるなど、プロセスの途中に工夫が必要でその結果、完成品に様々な味わいができることを楽しめる、かなり奥深い趣味です。

ビールの瓶詰工程

 

 酒税法上個人の消費のためだけの目的でも無許可でアルコールを作ることは禁じられています。だから、かつてやっていたことは違法行為だったわけですが、今は作っても飲むわけにはいかないのでやっていません。それでも、酒ではない原料から酒が造れるので、ひそかに酒を得るための手段としての自家醸造と言うのはあります。

 

 私が職を失って、連続飲酒をしていた時、アルコール癲癇で入院しました。入院したおかげで酒が切れて断酒するきっかけになりえたのですが、退院時の医者の「禁酒は継続しなさい」とも言い渡されていたにもかかわらず。リンゴジュースとパン酵母(イースト)を購入してきてジュースの紙パックにイーストを投入し程よく醗酵したジュース=シードル(リンゴワイン)を飲みだしました。

ワイン造り

 

 初めは少しづつできていく酒で我慢で来ていたのですが、ほどなく、それだけの酒では我慢できなくなって焼酎を買って飲むようになり、元の連続飲酒に戻ってしまいました。

 

 面白い遊びだったのですが、なんといっても違法行為ですし、さらにはアル中の隠れ酒の手段にまで使われてしまったわけで、アルコール依存症の狂った頭のために遊びでしかなかったという事です。

 

 断酒してからでも、ヨーグルトを作ったり、味噌を作ったりと言った発酵食品を作るのにその時の経験は生かされています。


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