よいビジネス(5) アメックスの自由の女神修復キャンペーン
前回の記事で、CSRと事業が切り離されて、事業にシナジーが生まれていない現状について嘆いたが、そもそもは両者は一体化していたのである。
CSRのエポックメーキングとなったのは、1983年のアメリカン・エクスプレスの「自由の女神修復キャンペーン」である。
アメリカン・エクスプレスことアメックスは、もともとの業態は運送業だった。そこから旅行業へと多角化し、旅行業からカード事業へと多角化し、現在はカード事業が基幹事業になった。
このように、運送や旅行から進化してきたことから、自社のコーズを「歴史的遺産の保全や修復」と位置づけ、傷んできたNYの自由の女神の修復のキャンペーンを行なった。
このキャンペーンは、1983年の3ケ月間、アメックスのカードの利用1回につき、1セントを“自由の女神修復基金”に寄付 するという内容である。
この結果、3ケ月間で170万$もの寄付金を集めることができた。
なおかつ、カード利用額は前年同期比で28%増、アメックスカードへの新規加入者は45%もの増となった。
この結果からわかるように、CSRと営業は切り離されるべきものではなく、一体化すべきものなのだ。
参考文献:『社会的責任のマーケティング』フィリップ・コトラー
