よいビジネス(6) 品川女子学院
東京女子学院は、女性に参政権がなく、高等教育を受ける女性もまだ一部という明治時代に「日本の社会も必ず女性が活躍できる時代が来る。その時に備えて、社会に参画できる能力が身につく教育をし、世の中に貢献できる女性を育てよう」という理想のもと、漆雅子が設立した。
厳しいしつけと教育を行って名門校となり親からは評価されてきたが、その厳しさが子どもからの不人気となり、志願者が減少していく。
現校長で創業者の孫の漆紫穂子さんは、中学の教師だった頃、教師内の進路指導資料で、品川女子学院が廃校の危険性の高いブラックリストに入っていることを知り、祖母の創った学校を再建するため、校長に就く。
漆校長と教師が一丸となった学校改革で、志望者数は3倍に増えV字回復し、以前にも増して人気校となっている。
その内容がすばらしい。
まず、大学入試をゴールにした従来の偏差値教育から、さらにその先の「社会で役立つ教育」への転換することを決意した。
その象徴が、28歳になったときに社会で活躍する女性を育てる「28プロジェクト」である。
たとえば、女子アナウンサー、女性実業家、スチュワーデスなど、社会で活躍する女性を招いて講師になってもらい、生徒達が社会で働く姿をリアルにイメージできるようにしている。
なぜ28歳かというと、28歳は、学んだことを社会に還元できるようになる頃でもあり、出産年齢にリミットがある女性にとっては人生のライフ・ワークバランスを考える時期でもあるからだ。
このときに一生を視野に未来に向かうために、高校生の現在から進路を選択し、目標を設定できるようになる進路指導をしたいと考えている。
さらに、社会で働くことを体験するために、サンリオなどの企業と共同で商品開発を行なって、女子高生にマーケティングや商品開発の実学を体験させるなど、自分の働くイメージをもたせる「ビジネス体験学習」を行なったりもしている。
自らの存在の危機に直面したとき、大学への進学率をあげることを目標にしたり、生徒の人気を得るためにカワイイ制服に変えたり、校則を自由にするなどの安易な解決策を求めず、生徒=顧客のより大きな「人生」という目標に応えようとしたところが、品川女子学院のすばらしさだし、そのために非常にユニークなプログラムをプランニングした柔軟性。
厳しい状況でこんなことができるというのはすごいことだ。
品川女子学院のWEBサイト↓
http://www.shinagawajoshigakuin.jp/index.html
