テンポ…というか

楽譜の冒頭に書かれている

曲想についての指示は

イタリア語、ですので


イタリアの風土と歴史、

それから育まれた技術と文化の傾向を

まずは丁寧に見ていきましょう。




イタリアといえば


風光明媚で食べ物がおいしい国。


実は食料自給率は

そこまで高くはありません。


そこまで広くない土地で

海も山もある…ということは

移動の難しい急斜面などが

多いんですね。


そして

移動距離がほぼゼロの地元ならばともかく

普通に収穫したものを売りさばくとなると

「ご近所」のフランス南部産などに

勝てないわけで、


農の悩みは

わりと現代日本と

共通するものを持っていると

言われています。



気候が特徴的で

うまく作物を選べばまとまった収入になる

ということを

きっちりやった積み重ねとして


ヨーロッパ貴族の富の象徴として

レモンやオレンジがありがたがられるときに

柑橘類の栽培が普及し、


高級志向な人々をターゲットとする

ワインをつくるために

ブドウ畑を日当たり良好な急斜面につくり。


温暖で雨が少なく

住みよい気候、ですが

案外と稼ぐことがむずかしく

そこに頭を悩ませる土地なのですね。



柑橘類にしても

ワインや葡萄にしても


集落をひとつの単位として取り組み

ノウハウを共有し

技術と知識を高めあって

「その土地の人にしかつくれないもの」

として

産業そのものが

「つくりこまれた手仕事」になっています。



農村の魅力はそれとして



都市は都市で別の魅力があり、


イタリアといえば


世界を代表するアパレルブランドに

バッグのブランド、


美しい建築の並ぶ街、


バイオリン制作の学校と工房が集まる町に


楽器以外にも木工を特産とする町があり、


手仕事の技術と

それを活かす使い方、

そして売り方、ですね。

それらをきちんと組み立た上で

産業としていることが

見てとれるわけですね。


そして


やはり

集落をひとつの単位として

産業に取り組んでおり


ノウハウを共有し

同じような生活をして

悩みを分け合い、

知識と技能をお互いに高めることで


「ここでしか作れない精密な手仕事」と

「ここでしか見られない景観」を

各地でつくったわけですね。



ただ、

つくった、ということは


もともとは

土地そのものを資産として扱うのが

むずかしく

生活ベースが危うい土地である、

ということです。


イタリアの資産はそこに住む人であり、

彼らの頭脳であり、彼らの技術である。


風土と産業を見るに

そう判断されるわけですね。






ここで一度区切ります。