社会学者のアーヴィング・ゴッフマン(Erving Goffman, 1922年 - 1982年 カナダ)は「社会的相互作用」という概念を提唱した。
社会的相互作用とは、人々が状況に意味を持たせ、他者が意味しているものを解釈し、それに応じて反応する事象である。
その観点から「合コン」や「婚カツ」を考察するなら・・・
そこで参加者たちにとって重要なのは「すべきこと」よりも、むしろ「すべきでないこと」である。
がっつかない、目立とうとしない、仕事の話をしない、などなど。
自然で偶然的な出逢いの場を作り上げるには、参加者全員が協力して禁忌を回避する必要がある。
その結果、多くの矛盾が表出する。
錯綜するコミュニケーションの中で出逢うことは、実はきわめて難しい。
建て前上は平等な競争の場であるはずが、そこでの序列化があまりにも熾烈で複雑で、身動きがとれなくなってしまう。
さらには、意中の異性を射止めようとして、期待される「女」や「男」を演じることが、出逢いそのものを困難にする。
なぜなら、その場に存在するコードに則って周りに気を遣いながら、うまく立ち回りながらの出逢いは、限りなく虚構に近いのだから。
虚構のような「男」と「女」だから、そこでどんなに意気投合したとしても、その舞台を降りると醒めてしまう。
うまく振る舞えないからうまくいかないのではなく、うまく振る舞ってしまうからこそうまくいかないのだ。
この猫は、鏡の向こうの世界に行きたいらしい。
では、どうすれば?
続きは次回の講釈にて・・・