洗練という言葉が、京都の料理にはぴったりだと思う。
京都に旅行中のある日、息子がたまたま同時期に京都に遊びにきているイギリスの友人と出かけるというので
私は1人で美術館にでも行くかと、岡崎へやってきた。
ところが、月曜日は美術館の休館日だったようで、京セラ美術館も近代美術館も閉まっていた。
この近くに美味しいうどん屋さんがあると、滋賀県に暮らす友人が教えてくれたので、お昼にうどんを食べていくことにした。
そのお店は、岡北という。
岡崎の動物園のすぐ近く。お昼の時間だったので、お店は満席だった。
座って待っている間に、注文を聞いてくれたので、席に着いたらすぐにうどんが運ばれてきた。
無駄なもののない、すっきりした外装と内装。
椅子は竹で出来ているのだろうか、軽くて、直線的な美しい椅子だった。
私は、きつねうどんを注文した。
麺は讃岐うどんのような太い、こしのある麺ではなくて、細すぎない、中太の柔らかい、少しだけ透き通った
優しい喉越しのうどん。
汁は、ほんのりと山椒の香りがした。
私は山椒が苦手なのだけれど、全然気にならなかった。
油揚げは1センチくらいの幅に切ってあって、柔らかくて甘い九条ネギと汁をたっぷりと含んだ油揚げと麺を一緒に口に含むと、なんだか感動する味わいで、姿勢を正して食べた。
他にも1人できている人がいたけれど、皆、姿勢を正して、心からうどんを堪能している様子だった。
清潔ですっきりした店内や、無駄のないサービスはとても気持ちが良かった。
美術館は、残念だったけれど、このうどんのためだけに岡崎に来るのは全然あり!と思った。