サープライズ・バースデイパーティー | ケンブリッジ生活・サンディエゴ生活

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2019年からのイギリス・ケンブリッジ生活を機にブログを始めました。2023年春からは、アメリカのサンディエゴに暮らしています。

昨日、ヨガの仲間のサープライズの誕生日会に行ってきました。

主役は70歳になる台湾系アメリカ人です。

もうすぐ旧正月なので、会場は赤いランタンで飾られて、私たちはチャイナドレスを着ようということになりました。

オンラインで注文をしたドレス。私は真紅のドレスを注文したのですが、Lサイズを頼んだもののぴちぴち。

まるで太った金魚のようです。中国のLサイズはアメリカのXSサイズなのでした。

1週間ダイエットしたものの私は諦めて、持っていた赤いドレスを着て出席することにしました。

 

会場へ着いてみると、友達はみんな素敵に着飾ってきていました。

オンラインショッピングでドレスを探していた時には、どれもサテンのようなペラペラな赤やピンクの横浜の中華街で売っていそうな安っぽい服しかなかったのに、そして、みんなラストミニッツで同じようなサイトからドレスを注文をしたはずなのに、それぞれとても個性的な装いなのです。

 

私が常日頃、全てに関してセンスがいいなあと思っている友人はセピア色のドレス。合わせたカーディガンやアクセサリーで、まるで1920年台の上海の女性のようで素敵でした。

1950年代、60年代に活躍したアメリカの女優のエバ・ガードナーに似ていると私が思っている友人は黒いベルベッドの、体にフィットしたチャイナ・ドレス。それがまたエレガントで、背が高くて姿勢が良い彼女が着るとフィルム・ノワールのミステリアスな女優のようです。

小柄でショートヘアの友人は黒いサテンのミニ丈のチャイナドレスがとてもキュートで似合っています。

主催者の友人は、私と同じく頼んだチャイナドレスが体に合わなかったそうなのですが、赤いアロハシャツのようなゆったりとした中華なデザインのシャツにジーンズでドレスダウンして、それがとても彼女の雰囲気にピッタリでした。元気で自由で、まばゆいばかりのエネルギー。

 

どんどん人が集まってきて、主役が来る時間には会場には100人ほど集まっていました。

主役の彼女は、誰よりも華やかな明るい赤の、胸に不死鳥のような刺繍のついたチャイナドレスを着て現れました。彼女は自分の誕生日会だということは知っていたけれど、少人数の集まりだと思って来たのです。

スラリとスレンダーで、スリットの入ったドレスの裾からは色の白い長い脚がのぞいています。

大勢の人に「サープライズ!!!」と叫ばれて、びっくり。

「まあ!まあ!」とびっくりとした彼女の目元に涙が輝いて、みんなが心から彼女を祝う気持ちがそこに静かに、でも濃厚に漂っていて、とても綺麗な瞬間でした。

 

みんなが食べ物を持ち寄ったので、会場にはご馳走がずらりと並んでいます。

企画をした1人が中近東出身の人だからか、中近東とかインドとかそんな感じの音楽が流れ始めて

何人かが、楽しそうに屈託のない表情で踊り始めました。

 

そして、会場の一番目立つところに真っ赤な包装紙とリボンで飾られていたプレゼントが開かれました。

そこには、主役の彼女がとても若い時の、同じ赤いチャイナドレスを着て笑っている姿がキャンバスに描かれていました。なんて、素敵なプレゼントなのでしょう!

 

持ち寄りの、いろんな国の料理をいただいて、ワインを飲んで、たくさんの人たちとお話をして、ダンスをして、みんなのポジティプで優しい気持ちが満ちていて、とてもいいパーティーでした。

 

何よりも場所を提供し、準備をし、計画を立てて、みんなを招待した友人の心のおおらかさ、優しさというのが素晴らしいと思いました。

きっと準備も後片付けも、とても大変だっただろうと思いますが、そんなことは微塵も感じさせずにみんなを楽しませる度量というのが、彼女のすごいところです。

 

また、今回パーティーで私が実感したのは、ハグっていいなあということでした。

大きな音で音楽が流れていたり、人々のざわめきがあったりすると、知り合いや友人にあって会話をするよりも、お互いにギュッと抱きしめ合うことで、一瞬で心が近くなるのがいいし、親近感や愛情もグッと増す気がします。

いつも、会うと笑顔でギュッと抱きしめてくれる彼女。

なんだか、いつも良いエネルギーをくれる彼女にみんなが少しでもお返しをしたい。大好きだよと伝えたい。

そんな健気な気持ちがいっぱいに詰まったパーティーでした。

 

そして、颯爽と美しいチャイナドレス姿で現れた70歳。

私たちはみんな、あんなふうにかっこいい70歳になりたいなあと憧れたのでした。