和スイーツというものに、ほとんど興味がなかったのに、急にあんみつが食べたくなって
近所の日本スーパーで買ってきました。
友人に誕生日にもらったイッタラのガラスの器に蜜と寒天、フルーツ、小豆を入れて、ついてきた餡子と黒蜜を後から加えました。
半透明でぷるんとした寒天をシロップと共に口に運ぶと、ひんやりとして、清らかな甘さが口と喉を通り過ぎます。ガラスの器は青でも藍色でもない不思議な色。
ふと、京都の喫茶店、ソワレのゼリーポンチを思い出しました。
昭和23年創業のその喫茶店は高瀬川の近くにあり、小さくて薄暗い店内には青い照明を受けた東郷青児の絵が飾ってありました。そういえば東郷青児の絵の女の人はちょっと寒天ぽい青白さです。
ゼリーポンチとは、ガラスの器の中で5色のゼリーがキラキラと輝き、そこにシュワシュワのソーダが注がれたものなのですが、それはもう夢のように綺麗な食べ物なのです。
今まで好きでもなかったアンコや寒天がこんなに気になるなんて、年のせいでしょうか?
昨日も仕事先でお弁当を食べていたところ、人からいただいたおからがあまりにしみじみと美味しくて
〇〇さんが作った、このおから、素晴らしい!と感嘆していたら、一緒にご飯を食べていた友人が、なんだか遠くを見て、寂しそうに笑いながら「お惣菜をお裾分けしあったり、美味しいって思うようになるって、私たち年をとったってことよね」と言うのです。
確かに私は最近、大根を干して切り干し大根を作ったり、お弁当のおかずはきんぴらだとか、オカラだとか。
そして、そういう友人も大根の煮物のレシピを送ってくれたりして、そこには大根❤️とあり、昔からある日本のおかずがますます好きになってきている気がします。
また、海外に暮らしていると、こういうお惣菜が特に美味しく感じられるというのもあるかもしれません。
高野豆腐だとか、カンピョウだとか、若い時には目にもとまらなかった食材が、スーパーで高級食材のように輝いて見える今日この頃。
年をとって味覚が変わるって、そんなに悪いことでもないなと思いながら、今度日本に帰ったら母と甘味処に行きたいななどと夢見ているところです。