Common とかMeadowという言葉を耳にしてイメージが思い浮かびますか?
アメリカや日本の人たちにこの場所を説明するのはいつもちょっと難しいなと思います。
人々が自由に遊んだり、くつろいだり、散歩したりできる緑の豊かな場所で、ちょっと公園というのとも違います。Park(公園)との違いは、自然の生態系がそのままにされている野原のような場所だということです。
うちの近所にはStourbridge Common, Mid Summer Common, Logan's Meadowなど沢山のそういった場所があります。野の花が咲き小川が流れているそんな場所は、街と住宅街の間にあり、人々の生活の中に溶け込んでいます。
ケンブリッジのカレッジの立ち並ぶ中心地からケム川沿いに上流に行けばGranchester Meadowsがあって学生たちが自転車で出かけたり、パンティングをしたり、観光客がアフタヌーンティーを楽しんだりしています。
逆に下流に歩いてくれば、そこにもずっとコモンやメドウが続き、こちらはどちらかというと地元民の憩いの場といった趣。ナロウボートが係留され、家族づれが散歩したり、恋人同士がピクニックをしたり、ローイングの練習に励んでいます。
春から秋にかけて、そんなメドウ散歩はとても気持ちがいいものです。
野の花を摘んだり、野生のブラックベリーを摘むという楽しみもあり、白鳥などの水鳥が子育てをしているのを毎日観察したり、牛たちをよけて歩いたり、緑のトンネルで小鳥たちの声がシャワーのように降ってくる中を歩いたり。
昨日は天気が良かったので、ゆっくりとメドウの散歩を楽しみました。
川のこちら側を1時間ほど歩いて橋を渡り小さな村を通って帰ってくるという道のり。
川にはローイングの練習のボート。対岸のメドウには牛たちが見えます。
ライラックに、メイフラワー、それからエルダーフラワーも咲き始めていました。
エルダーフラワー。この花を集めてきてコーディアルを作り、炭酸で割って飲むととても美味しいのです。
トットットットッ。という音を立ててナロウボートがゆっくりと通り過ぎて行きます。
ナロウボートで川や運河をのんびりと旅するのは、国内でとても人気があるらしいです。
こんな風景もとてもイギリスらしい。
小さな林を抜けたり、こんな草が高く生い茂った道を歩いたり。
ネトル(イラクサ)に触れると痛痒くなって赤いぶつぶつが出来るので要注意。
そのうち、村に入りました。茅葺き屋根のお家や素敵なイングリッシュガーデンを眺めながら歩きます。
いつも目の前を通り過ぎるだけだった古い教会の敷地をこの日は通り抜けてみることにしました。
風にそよぐ野の花に埋もれるようにして200年以上前の墓石が、風化して斜めに立っています。
とても古い教会のようです。
その後、またメドウに入りました。牛たちが草を食んでいます。
黄色いバターカップの花が野原中に生えていて、牛が花を食べているみたいに見えて可愛い。
なんか、そんな花が好きな牛の絵本があったなあと思い出しました。
この時期のイギリス、コモンやメドウでの散歩やピクニックは最高なので、もし機会があればぜひ訪れてみてください。