ゲッレールト温泉 | ケンブリッジ生活・サンディエゴ生活

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2019年からのイギリス・ケンブリッジ生活を機にブログを始めました。2023年春からは、アメリカのサンディエゴに暮らしています。

初めて写真で見た時から、絶対にここに行きたいと思った場所。

それは、ゲッレールト温泉。

中央市場でランチを食べた後、ドナウ川の対岸に渡って老舗のゲッレールトホテルにある

温泉に向かいました。

建物脇にある温泉施設の入り口が、もうすでに歴史を感じさせる佇まい。

 

 

入場料は4000円くらい。ロッカーに使う腕輪型の鍵を受け取ってロビーの右手の温泉施設の入り口へ進みます。建物の吹き抜けの部分の屋根のドームがなんだか教会みたい。

 

 

ここの温泉のことは13世紀にはもう記録に残っていて、中世はこの場所は病院だったそう。

温泉の効能は、リウマチや関節炎、パーキンソン病など。

この下の写真の場所はマッサージを受ける部屋でしょうか?こんな小部屋がずらりと並んでいます。なんとなくヨーロッパの古い療養施設のような雰囲気があります。落ち着いた清潔感のある雰囲気が好みでした。

 

ここを通り過ぎると、ガイドブックなどで見慣れたプールが現れました。なんとも美しい円柱に囲まれたプール。

ここは、水温が28℃と低く、泳ぐ人用の温水プールです。

 

 

プールを見下ろすようにぐるりと囲んだテラスには寝椅子が並び、カフェやバーがあって、水着姿でくつろぐ人たちがいました。

上から見たプールはこんな感じ。

 

 

ここには屋内、屋外にいくつものプール、浴槽、スチームバス、サウナなどがあります。

屋外のプールやスパは高台にあるので、暖かい季節には、ブダペストの景観を眺めることができてとても気持ちの良いところだと思います。

 

私は室内の40℃の浴槽がとても気に入って、じっくりと柔らかいお湯に浸って美しい装飾にうっとりしていました。

ターコイズブルーのタイルがとても綺麗で、男の子と女の子の人魚の像からは昔は温泉が流れ出ていたようで、温泉成分が作った白っぽいツララのようなものがついていました。

 

↑温泉の水は飲むことも出来ます。

 

なんとも贅沢で優雅な温泉時間でした。ブタペストだけでも100を超える源泉があるという温泉大国のハンガリー。一般の人たちがどのようにこの温泉とともに暮らしているのか大変興味があります。

 

温泉を出てポカポカした体で向かったのは、すぐ隣のゲッレールトの丘。

結構高い丘で息を切らしながら登ったのですが丘の頂上の広場は閉鎖されていました。丘を降りて、今度はその隣の王宮の丘へ。ここへはエスカレーターとエレベーターで上まで行きました。

夫と息子は私に無理やり歩かされて、文句たらたら、、、、、、。

 

 

ここは、ブダ王宮のあった場所で、バロック様式の建物はハプスブルグ家の支配下だった頃の栄華な雰囲気を漂わせていました。

疲れた、お腹がすいたとの声に急かされて、この丘にも長居しませんでした。

渋いケーブルカーに私は興味津々だったのですが、並ぶ列が長かったので歩いて丘を下りました。

 

このブダ地区の丘の上からの夜景はとても綺麗だそうです。

次に来ることがあればぜひ、ケーブルカーで丘の上に上がって夜景を楽しみたいものです。

 

お腹空いた!疲れた!コールに軽くストレスを感じながら、何食べる?どこで食べる?

と相談するものの、時間が経つにつれ、どんどん妥協できなくなってくる私たち。

お腹が空けば空くほど、その元をとるくらい美味しくないと納得できなくなるという変なところが私にはあるので、店を覗いては、なんか、違う。ピンと来ないと散々歩き回って、やっとここかもと足を止めた1975年からやっているという、洋食屋さんのような雰囲気の店。外に飾られたメニューの写真の古び具合がなんかいい感じだったので、全員一致でここにしようということになりました。

 

ウエイターの応対はとても良くて、訪れた人に美味しいハンガリー料理を食べていってもらいたいという誇りのようなものを感じました。私と息子はチキンの胸肉料理。夫はジプシー風とかいう豚肉料理を注文。前菜に牛肉のクレープ包みも頼み、ハンガリーのビールで乾杯。

 

私の料理はライス付き。ブイヨンの味がする美味しいお米でした。チキンも揚げてあるのに、薄くてカラッとしていて、とても美味しかったので、私たち三人ともお皿の上を綺麗にしました。残りをテイクアウトにぜずに全部食べ切るというのは、私たちには珍しいことです。

 

 

食後には、パーリンカというお酒をショットグラスでいただいて、サービス料込みで支払いは10000円くらいでした。

 

温泉に浸かるとそれだけで、なんだか疲れるものですが、その上二つの小山を登ったり下りたりした後でディナーでお腹いっぱいになって疲れたので宿に戻りました。

 

宿でトカイワインを飲みながら、私はハンガリー刺繍のこと。ハプスブルグ支配の頃のハンガリーのこと。食文化。ハンガリーの歴史などを調べて夜遅くまで読んでいました。

トカイワインは、私にはなんだか紹興酒のような味に思えて、そんなに好きにはなれませんでした。パーリンカも、そんなに美味しいとは思えませんでした。

 

短い滞在のせいか、街の真ん中に泊まっているせいか、一般のハンガリーの人の生活は全然見えません。でも、街に層になっている歴史は感じられました。

オーストリアとの類似点をよく街並みに見るのですが、そこに共産主義時代のストイックさが重なっているのを感じるといった具合にです。これは次に日にはさらに強く感じられるようになりました。

 

次に来る時にはそんな歴史を歩き回って集めて、優雅な温泉に浸かって頭の中を整理するというような作業をしてみたいと思うのでした。