土曜日の早朝に家を出て、日曜の夜に帰ってきました。
出かけた先はポルト。
冬休み中は高かった航空券が、やっと安くなって、往復50ポンドほど。
うちから車で30分ほどの空港からポルトまでは二時間半ほどで着いてしまいます。
ポルトはそれほど大きな街でもないのと、私は2回目ということもあって、今回は観光よりも
食を目当てで行ってきました。
朝の空港で、腹持ちの良いオーバーナイトオーツを夫と共に食べて、胃の準備を整えます。
ポルト空港からポルトの旧市街へはメトロで40分ほど。
お昼過ぎにポルトの街に到着。
2万枚のタイル(アズレージョ)で飾られた美しいSao Bento駅。
大聖堂のすぐ近くの宿にチェックインしました。素晴らしいロケーションで、石造りのその宿は1800年代に建てられたとのこと。建物の脇に古い水路橋があり、ドーロ川が見下ろせます。
さて、まずはMercado Do Bolhao という市場へ向かうことにします。
市場へ行けば、きっと庶民的な食べ物に出会えるとワクワク。
2018年に新しく改装されたこの市場、食べるところもあまりなくて、こ綺麗すぎて、なんだか活気もイマイチ。しばらく滞在して、自分達で料理をするならいいかもしれませんが、買い食いを楽しみにしていった私たちには、物足りなく感じられました。
ただ、ここへ行くまでの道には沢山の靴屋さんがあって、革の編み上げ靴だとか、素敵な革靴が並んでいました。私が数日前に買ったイギリスのブランド、Barbourのチェルシーブーツもそういえばポルトガル製でした。半額くらいで同じかそれ以上のクオリティの靴がポルトガルでは
買えるかもしれません。
時間は2時を過ぎ、焦り始める私たち。
このままだと、夕飯にも差し障りが出てしまいます。でも、後からよく考えたらポルトガルではディナーは8時過ぎからなので、問題なかったのですが、、、、、、。
とにかく、早急に何かを食べなくては!でも、滞在中の大切な1食。なんでもいいわけじゃない。ということで、小さな大衆食堂的なところを選んで、私は前から食べたかったビファーナという薄切り豚肉のサンドイッチ。そして夫はフランセシーナというポルト名物を注文しました。
ビールはポルトガルのラガービール。Super Bockが出てきました。
ビファーナ。最高でした。豚肉が柔らかくって、優しい味。2、3個食べられると思いました。
フランセシーナ。上にかかっているのはとろけたチーズ。中にはステーキやハムの挟まれたホットサンドが入っています。ソースはビールとトマトソースで作られているのだそう。
一口もらって「ウェルシュ・ラビットみたい」という感想を言ったのですが、元々作った人はフレンチのクロックムッシュのポルトガル版として作ったのだそうです。だからフランセシーナ(フランスの女の子)っていうんですね。そして、ウェルシュ・ラビットとクロックムッシュは同じようなものなので、私の感想は間違っていませんでした。ちなみにウェルシュ・ラビットもビールが使われています。
どちらとも、とても美味しかったです。
その後はぶらぶら街歩きをして部屋へ戻り、シャワーを浴びたり昼寝をしたりしました。
そして、夕方になってから、ドンルイス一世橋を渡ってドーロ川の対岸へと行ってみることにしました。
この橋はメトロが走り、対岸のポルトワインのセラーが望めるとても美しい橋です。
橋の上から見下ろすリベイラという川沿いの地区。
橋を渡り終えると、リベイラの地区には灯りが着いていました。
この街の景色はスタジオジブリの「魔女の宅急便」の街のモデルになったと言われています。
対岸を歩き、お土産を買ったりしてから、今度は下の橋を渡ってリベイラ地区に戻りました。
川沿いには沢山のレストランが並んでいるのですが、なんだかピンとくるお店がない上にまだアペリティーボの時間(食事の前にカクテルなどを飲んだりする時間)なので、食事をしている人があまりいません。
でも、せっかくなので、この川沿いの雰囲気を楽しみたいと、あるお店に入ってみました。
頼んだのはビールと、ビールのつまみにエビとバカリャウのコロッケ。
バカリャウは、干し鱈のこと。ポルトガルではとてもポピュラーな食材です。
バカリャウは365日、違う料理で食べることが出来ると言われるほど、色々な料理法があるようなのですが、バカリャウのコロッケは特に人気があるようです。
ここのお店は、イマイチでした。エビのソースはオレンジのせいか、妙な苦味があり、パンを浸して食べるも美味しくありませんでした。エビの身も硬く、コロッケも、なんだかぞんざいな感じで愛のない料理だなあと少し残念でした。
私たちは、またお腹を空かせるべく、沢山歩いて、今度は、ある裏通りにある庶民的な感じの小さな店に足を踏み入れました。
ここで頼んだのは、私はもつ煮込み。夫は焼いた鰯。そして、ビーノ・ベルデという微発砲の淡い緑色のワインをデキャンタで頼みました。
私のモツ煮込み。白い豆と一緒に牛の胃袋やソーセージみたいなのが煮込んであります。
とっても優しい味。内蔵も数種類が使われているのか、食感が違っています。
ご飯ともよく合います。
私は、うっとりと幸せな気分になって、フォークを口に運びました。
そして、ふと夫をみるとなんだか気乗りのしない箸運びで鰯をつついています。
鰯の鱗がとられていない。内蔵がとられていない。というのが不満だったようです。
お皿を取り替えて、食べてみましたが、鰯も美味しかったです。3匹、お皿に載っていました。
大きな鰯だと焼き魚で、小さな鰯だともっと数があって揚げ魚、と選べます。
結局、私が両方モリモリ食べて、ワインのデキャンタもおかわりして、お腹いっぱいになってお会計を頼みました。
なんと!21ユーロでした。安い!!!
私たちが店を出る頃には、店の外で待っている人がいるほどで、かなりの人気店のよう。
昼過ぎに入った店と、この店は大当たりでした。
こうして、土曜日は過ぎて行きました。翌日の日曜日は帰りは飛行機の出発が5時過ぎなので
丸一日楽しめます。さあ、何をしよう?というか、何を食べよう?と相談をしながら歩くポルトの雨の夜でした。