先日、夕ご飯を作っていたら、キッチンでビールを飲んでいた夫が「僕の脳の中には寄生虫がいるんじゃないかと思うんだ」と、衝撃的なことを言った。
「うわ!なんで?どうしてそう思うの?」とびっくりして顔を見たら
別に深刻そうではない。
最近の研究で分かったことらしいんだけど、、、、、、。と、前置きをして彼が話し始めたのはこういうことだった。
猫につく、とある寄生虫。その寄生虫の卵が便の中に入って出てくる。
それが、どういう経路でかはわからないけれど、ネズミの体にはいり、ネズミの脳にたどり着くと、そのネズミは普段は出て行かないようなところへ出ていったり、行動範囲が広がったりして
猫の餌食になりやすくなるというのである。
イエローストーンの狼の例では、その寄生虫のいる狼は群れを離れる傾向があるとか。
そして、新しい場所にいって自分がアルファになり群れを形成することが多いのだそう。
自分がどこか、遠くに旅をしたり、住んだりしたくなるのは、きっとその寄生虫が自分の頭の中にいるからに違いない。
そして、君の頭の中にもいるに違いないというのである。
そんなことを考えている夫。
今日は、家の前に停めてある(とても邪魔)ビンテージのランドローバーのトラックに久しぶりにエンジンをかけようと鍵を探し始めた。
でも、いつも置いてあるところに鍵が見当たらない。
「トラックの鍵、どこにやったの?」と私に訊く。
「知らないよ。触ってもいないし」と私。
「いつも、勝手に片付けて、どこかにやっちゃうよね。絶対に君がどこかに置いたんだ!」と断言する夫。完全に私のせいで鍵がなくなったと言い切るその度胸。
私はやっていることをやめて、鍵探しを手伝うことにした。
まず、最後に車を運転したのはいつ?その時に来ていた上着のポケットに鍵を入れたということはない?と質問する。確認して、それはないということになる。
じゃあ、車の中は確認してみた?
そんなはずないと、プリプリして車を見にいく夫。
すぐに照れ笑いしながら鍵を持って家に入ってきた。
「恥ずかしいのは、君を完全に疑って責めたことよりも、去年の暮れから車に鍵をつけたまま、気づかずに放置していたことなんだよね」とか言っている。
今日は、不動産屋さんから派遣された修理の人が来ていて、そのランドローバーのことで盛り上がっていたし、その車を運転していると、他のドライバーから声をかけられたり、写真を撮られたりすることもあると自慢していたのに、その車に鍵をつけたまま!どうぞ盗んでくださいというようなもの。息子の自転車がガレージのドアを開けっぱなしにしていたせいで昼間盗まれたこともある家なのだ。
私は怒る気もなく、この人ってなんかおかしな人だなあといつも思うのだった。