羊肉だとシェパードパイ。牛肉だとコテージパイと呼ぶらしい。
今晩はコテージパイを作った。
みじん切りにした玉ねぎとひき肉を炒め、塩、胡椒、それからウスターソースで味を整えたものをキャセロール皿に移し、その上にマッシュドポテト、チーズを載せて、オーブンに入れる。簡単だけれど美味しいイギリス料理。
イギリスに住んでいる方に意見を聞きたいのだけれど、なんだか今年のジャガイモは水っぽいと思いませんか?
先週、コロッケを作った時も、今日、マッシュポテトをつくった時も、あれ?と思ったのだけれど、あのねっとりとした感じがない、、、、、、。
いつも適当にテスコで一番手に取りやすい所のポテトの袋を選んでいるので、品種とかを気にしたことがなかったのだけれど、品種が違うのだろうか。
作物の出来具合も年によって違うのは、当たり前のことなのだとは思う。
今秋、スペイン、ポルトガルを歩いて旅して、葡萄が素晴らしく美味しかったので、今年のワインはきっと素晴らしい出来に違いない!と確信しているし。
ところで今日は、冬至!
Almanacの本がそういえばあったと開いてみた。
それによると新月がクリスマスに近いほど、その年の冬は厳しい寒さになるとのことだ。
今年は23日が新月で、スプリングタイドという大きな潮の満ち引きがあるらしい。
こんな時にビーチに行くと、いろんな貝や面白い生き物が見つけられて面白い。
ロンドンのテムズ川でも、マッドラーキングといって、引き潮の時に泥を攫うとビクトリア時代のパイプだとかコインなんかを見つけられるのだそうだ。
ところで、冬至といえば、柚子湯。
熱い湯に、レモンとオレンジのエッセンシャルオイルを垂らして、ついでにユーカリプタスと塩を投入したお風呂に浸かった。
東京で一人暮らしをしていた時、アパートの2軒隣にあった銭湯に通っていた。ほぼ毎日、近所に引っ越してきた親友と待ち合わせしてお風呂に行き、帰りはうちでビールを飲んで、しゃべって親友は歩いて5分ほどの別のアパートに帰って行くのだった。
冬至には、柚子湯で、番台で帰りに無料のヤクルトをくれた。
銭湯の外の階段では、いつも愛猫のケロが辛抱強く私を待っていてくれていて、猫は道をジグザクに走りながら一緒に部屋に帰ったものだったと懐かしく思い出す。
あのアパートも、銭湯も、私の猫も、親友も、この世に、もう存在しない。
ちょっと、悲しい。今でも、あの冬の匂いも、冷たい空気も、私の部屋の灯油ストーブの匂いも思い出すことが出来るというのに。
あれからほぼ30年。私はイギリスの川沿いの家で天窓の星を眺めながら、柑橘系の香りのする湯船に浸かって、昔を思い出しているのだった。
その頃、付き合い始めていた男の子は、今はどっしりとした中年のおじさんとなって、私の夫として一緒に暮らしているということもなんだか不思議だ。
冬至を過ぎれば、日は一日、1日と長くなってゆく。
いつもは待ち遠しいこの日が、今年はなんだか呆気なく早く来たような感じがする。
毎年同じ冬至が来るわけじゃないんだな。
だから、毎日、大切に暮らしていこうとちょっとだけ感傷的になりながら、思った。