カミーノ・ポルトガルの道。おまけ〜コルーニャでのんびり〜 | ケンブリッジ生活・サンディエゴ生活

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2019年からのイギリス・ケンブリッジ生活を機にブログを始めました。2023年春からは、アメリカのサンディエゴに暮らしています。

13日間でポルトからサンティアゴ・デ・コンポステーラまで歩いた後は、1日、ゆっくり休むことにした。

サンティアゴ・デ・コンポステーラから電車で北へ30分ほど行くとコルーニャという美しい海辺の街がある。

 

この街で有名なのは、ヘラクレスの塔という巨大な灯台だ。

この塔は2世紀にはもう存在していたという、ローマ時代の建築物で、ギリシャ神話に出てくるヘラクレスが怪物を倒して、その首をここに埋めたという言い伝えがある。

 

それから、アパレルのZARAもこの街で生まれた。

 

オーシャンビューの、バスタブのある部屋を予約した。

ところが、ホテルに行ってみると、年配の夫婦がラウンジでお茶をしており、カウンターには人がいない。

カウンターの前で、困っていたら、その老夫婦の男性の方がやってきた。

どうやら、ホテルの人らしい。

予約をしてあると伝えると、鍵をとって、テレビのリモをくれて部屋への行き方を教えてくれた。

全部スペイン語。

ところが、部屋へ行くと、小さな部屋で海も見えない。

すぐにカウンターに戻って、お茶に戻っていたおじさんを呼んで、違う違う。オーシャンビューの部屋。ミラ・マーの部屋!と説明すると、また違う鍵をくれた。

なんとなく予感はあったものの、その部屋はオーシャンビューだけれど、バスタブがなくて、シャワーだけ。

すぐさまカウンターに戻る。

今度は、おばさんに、違う違うというと、何が違うんだという。

私は、バスタブのある部屋を予約したんだ、お風呂に入りたいんだと説明するも、なんとなく通じていない。

おばさんと一緒に部屋に行き、シャワーを指差して、また説明すると、部屋もシャワーも綺麗だし、何が問題?という。

だから、バスタブ、、、と説明すると、ああ、バスタブのある部屋は高いのよ。100ユーロはするのよ。という。

いや、そんなはずはない。とにかく、カウンターに戻ろうということになった。

すると、そこに英語のわかる若い従業員がいて、すんなり、問題解決。

 

オーシャンビューの、バスタブのある部屋に入ることが出来た。

大きなバックパックを背負って、貧乏旅行をしている人に見えたのかもしれない。

 

 

落ち着いたら、お腹が空いてきた。

街へ出て、タイ料理屋さんへ入ってパッタイを注文した。

ポルトガルやスペインの田舎町ばかりを旅してきたから、急に、レストランの金額が高くなって戸惑う。

 

久しぶりに食べた美味しいパッタイだった。

 

この日は、まだ雨が降ったり止んだりしていた。

傘を持って、海辺を歩く。

ヘラクレスの塔は遠くに見えているけれど、そこまで歩いて行こうとも、タクシーで行こうとも思わず、海越しにみるだけで満足した。

 

とにかく、久しぶりにプライベートで、のんびりとした時間を楽しむことにした。

 

 

 

海は、やっぱりいい。潮風も、広い水平線も。

 

 

しばらく海辺を散歩して、部屋に帰ってバスタブにお湯をはって、ゆったりと浸かった。

 

バスルームのドアを開けて、外の海を眺めた。

部屋で、くつろいで夕方になって、すぐ近くのイタリアンの店に食事に行った。

 

 

トロンした赤ワイン。ツヤツヤのオリーブ。

イカ墨のスパゲティを注文した。

ついてきたパンも香ばしくて美味しい。

だんだん暮れてゆく窓の外の西の空を見ながら、しみじみと美味しい食事を楽しんだ。

 

食事を終えて外へ出ると、もう夜のしっとりとした空気。

 

 

対岸の旧市街の灯りが綺麗。

 

 

ヘラクレスの塔は、現存する最古の灯台で、今もなお、光で四方を照らしていた。

波の音を聞きながら、潮風を感じながら、窓を開いて広いベッドでのびのびと気持ちよく眠った。

そして、翌日、ゆっくりとこの街を出て、イギリスの我が家への帰途へついた。