地中海、、、リビエラ海岸、、、なんか、うっとりしてしまう響き。
この日、私たちはイタリアのジェノヴァを訪れることにした。
あまり、聞いたことのない街。
バジルのペストソース。ペスト・ジェノヴェーゼが生まれたところらしい。
昔、海洋貿易で栄えた港町で、クリストファー・コロンブスの出身地であり
「母を訪ねて三千里」でマルコがアルゼンチンへ旅立ったのもジェノヴァなのだそうだ。
朝、ミラノ中央駅から電車に乗って1時間半でジェノヴァに着いた。
快適な電車で、座席指定で片道21.50€だった。
↓ジェノヴァ駅は白亜の建物。
駅を出て、私は一目でジェノヴァが気に入ってしまった。
素敵な瀟洒な建物が沢山あって、どれも歴史が感じられる。
海へ向かって道が下っていくので、なんだか立体感のある街だった。
世界の富が集まってきた場所なのだなあと誰でもわかるくらいに、街全体が均一に豪華な感じがした。無理していない、威張っていない豊かさを感じさせる優雅な街並みなのだった。
そして、海の近くだからか、明るい解放感のある雰囲気だった。
高い建物が密接していて、その間を細い路地や通りが迷路のように入り組んでいる。
通りによっては、北アフリカ出身の人々だと思うのだけれど、そんな人たちが八百屋さんや肉屋さん、雑貨屋などの店を構えていて懐かしいような生活感があり、イタリアだと言われなければ、マラケシュにでも迷い込んだかと思うような雰囲気だった。
海辺の街だから、もちろん海産物も豊富なようだ。
商店街の店先で、イカやエビなどを揚げたのが売られている。
ランチに入ったレストランで、私たちはシーフードのフライ。フリットミストとペストジェノベーゼのパスタを注文した。
↑フリットミスト。衣が軽くてサクッ、カリッとして美味しい。油っぽくないのもいい。レモンを絞って♪
↑ペスト・ジェノヴェーゼ。この生のショートパスタにソースが絡んでツルンとして楽しい食感。バジルの香りが爽やか。
とても満足のいく食事を終えて、観光案内所でボッカダッセという海辺の村へ行く方法を教わった。地図でバス停をマークしてくれて、42番のバスに乗ってゆくといいという。
バスのチケットはタバッキという、たばこ屋さんみたいな売店で買うのだそうだ。
↑100分間なら乗り放題で1.50€。安い!
朝から肌がしっとりと湿るような暑さだったけれど、昼過ぎの太陽はとても強くて、もう背中がびっしょりと濡れるくらいの汗をかいていた。
イタリアの公共交通機関では、まだマスクをしなくてはいけないので、暑くて息苦しい。
バス停で降りて、海岸の方へ歩いて行くと海を見下ろす教会があった。
そこでひと涼みして、別の扉から出ると、ボッカダッセの景色がそこにあった。
その海は地中海なのだった。
とても小さな入江を囲むようにパステルカラーの建物が立っていて、その小さな海岸で人々が海水浴をしていた。
ビーチは、ゴロゴロとした石。波はなく、水はとても透明度が高くて綺麗だった。
人々は泳いでいるというよりは水に浸かっている。
私たちは、レストランでビールを頼んで、トイレで水着に着替えた。
ジリジリするような暑さで、水に飛び込むのが待ちきれなかった。
海は、本当に気持ちのいい温度で体を冷やしてくれ、私たちは指がシワシワになるまで海でぷかぷかしていた。
ジェノヴァってなんていいところなんだろう。
海は綺麗で、気持ちがいいし、食べ物も美味しいし、海産物も豊富だし、迷路みたいな路地は面白そうだし、歴史的な建物や教会、美術館などもあるし、買い物するところも沢山ある。
世の中には、こんな素敵な知らない街がいくつも存在しているんだなあと思った。
ビーチでは、ワンピース型の水着(しかも競泳水着)を着ている女性は多分私1人だったと思う。どんなに立派なおなかをしていても、みんな堂々とビキニ姿なのだった。
私にも、立派なおなかは堂々としていて良い!とさへ思えてきた。
(すぐに影響される私は、この後ミラノでビキニの水着を買った)
海から上がると、私は海岸でシーグラスを集めた。
ここのシーグラスは、とても小さくて、まるでビーズのような大きさで水辺でキラキラと輝いていた。
そのあと、ビーチにあるシャワーで髪や体についた海水を洗い流し、バスでジェノヴァの街まで戻り、ジェラートを食べたり、アンティークショップをのぞいたりした。そして1日たっぷりジェノヴァで楽しんだので、電車でミラノに帰った。
↑アンティークショップ。
ミラノに着いたのは、もう夜で、私が食べたかった揚げピザなるものを売っている店はもう閉まっていた。リゾットミラネーゼというのを食べてみたいという私のリクエストは、夫から却下され、結局、前夜行列ができているので気になっていたパスタの店に行った。
ブルスケッタにカルボナーラ、エビのタルタルののったパスタを注文した。
夜のミラノには暑さがまだこもっていた。